空が壊れた

@skyroad

第1話

満員電車は嫌いだ。

吐き気がする。まるで自分みたいだ。

私は凛。だから何?よろしくね。よろしく。


今日はとってもうるさい。うるさいくらいうるさいんだ。困っちゃうね。

でもしょうがないんだ。そんな日だから。

電車を降りると空は曇っていた。別にどうでもいいけど。

学校といわれる場所に向かう。面倒くさい。面倒だ。直方体の空間の中でみんなが同じとこを向いて座っているのって滑稽じゃない?怖くない?


でもしょうがないから歩いた。猫は死んでいた。羨ましい。良かったね。死んだんだ。居なくなったんだ。消えたんだ。どこかに行っちゃったんだ。飛んでったんだ。羨ましい。羨ましい。羨ましい。


道路はあえて真ん中を歩くんだ。もちろん車道ね。車道ってわかる?人っていういきものが歩くことになっている灰色っぽい板のことを歩道って言って、四つの丸いピザみたいなものを付けた箱が歩くところを車道っていうんだよ。ごめんね。


飛び散りたいんだ。血って一番美しいじゃない?綺麗だよね。こんな醜い私でも血は辛うじて綺麗なんじゃないかって思っているけど。思いたいけど。まあ見る分には綺麗だよ。跡が残って少し嫌だけどね。ああうるさい。


でも私って運が悪いの。だれも迎えてくれないんだ。そのまま来てくれればいいのにさ。でももう学校着いちゃった。まあ行かないんだけどね。私は行かないんだけどね。行かない。行かないからそんな顔しないで。いいじゃん!行かなくても行ってもあなたは毎日学校に行ったかどうかなんて知らないんだからさ。


…分かったよ。保健室だったら許してあげる。寝ることは好きなんだ。死んでるみたいで。一生寝たいよね。養護教諭って人はいるけど。人かどうかも怪しいな、私も君も彼女も。

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