第3話 父親を追放する

「父上……厳しすぎると、かえってやる気がなくなってしまいます。もっとクレア姉さんに優しくしてもらえませんか?」


 夕飯の席で、俺は意を決して言った。

 いくらなんでも、ハウエル公爵はクレアちゃんに厳しすぎる。

 これではクレアちゃんの性格が歪んで、悪役令嬢になってしまうのも当然だ。


「貴様……父親の俺に指図するつもりか?」


 実の息子を「貴様」と呼ぶのかよ。

 マジでヤバい奴だ……


 チラリとクレアちゃんの顔を見ると、青ざめて震えている。

 かなり父親が怖いんだろう。


 (俺が守ってやらないと……っ!)


「父上がクレア姉さんにやっている王妃教育は、明らかに虐待です。今すぐやめてください!」

「レイン……いいの。できない私が悪いの。お父様の期待に応えられないわたしが悪くて」


 (ダメだ。完全に虐待親に支配されている)


「クレア姉さんは悪くない。悪いのは——父上、いや、このゴミクズ男だっ!」


 俺はキッパリと言った。

 俺の発言を聞いたハウエル公爵は、


「き、貴様っ! 父親に向かってゴミクズだと?」

「ああ。ゴミにゴミと言って何が悪い?」

「ゆ、許さんぞ……ソニック・ブームっ!」


 ハウエル公爵は、俺に向かってソニック・ブームを放とうとするが、


「ど、どうしてだ……? 魔法が発動しない」

「お前はもう、終わりだ」


 俺が静かにそう言うと、部屋のドアが開いて、


「な、な、なんだっ! 貴様らはっ!」


 騎士たちが、ハウエル公爵を取り囲む。

 王家の紋章のある鎧を着ているから、国王陛下直属の騎士たちだ。


「ハウエル公爵……あなたを、国王陛下の暗殺を企てた罪で逮捕する」

「な、なにをバカな……っ!」


 ハウエル公爵はかなり焦っている。

 国王への叛逆は、最も重い罪だからだ。


「俺はそんなことしていないっ!」

「明白な証拠があるのだ。話は地下牢で聞こう」

「は、離せ……っ! うわああああああっ!」


 騎士たちに手錠をかけられて、連行されるいくハウエル公爵であった。


「お、お父様が連れて行かれて……どうしたら?」

 

 不安になるクレアちゃんに俺は、


「大丈夫だよ。すべて計画通りだから」

「えっ?」



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★あとがき


この話は連載候補です。


「続きを連載して欲しい!」

「この後のざまぁが見たい!」


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推しの悪役令嬢の弟に転生したから、原作知識で推しを救うことにした。 水間ノボル🐳@書籍化決定! @saikyojoker

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