第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト▶︎俳句の部 二十句部門  慟哭

和住 緋弧

慟哭

キティサン突っ掛けて夜濯の星よ

夕顔萎む私だけが見ていた

わたし眠り方忘れたわピラカンサ

山裾に雨雲懸かり誘蛾灯

突堤へ鬱屈投げて夜光虫

やってらんねえよなクリスマスの夜

叫ぶ人のいる表夜半の春

五月闇これより先はと人形

マイルスに秋の夜更けて目の渇き

蛍火に浮かぶ乗り手の亡いバイク

もう鳴らぬオーディオ撫でる長き夜

父と血の螺旋連なる流灯会

暗闇に菊の匂ひて誰れ想ふ

夕方のチャイム止み間に虫集く

君と冒険す夜店の麾く

自分より先に死ぬなと熱帯夜

疲れたよハニィそれだけさ夜の梅

父の日の慟哭夜の棄て児かな

冬天の物干場見上げた未来

星月夜声が聞きたいもう一度

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  第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト▶︎俳句の部 二十句部門  慟哭 和住 緋弧 @w_hiko

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