第2話 ご対面

『この人有名な人なの?』

『いいや、彼は知名人等ではないね』

『えぇ?あんなに強いのに……』

『彼は純粋な力だけを追い求めた戦闘狂さ』

"強さ"それだけを追い求めた男、

故に地位も名誉も彼からしたら興味が無い


―これは、そんな最強の記録である―




ソウルリンク共鳴する魂

"俺"はそう呟いていた。

「……素晴らしい!実に素晴らしい力!」

《魔力解放》

「久しい戦闘だ、振り落とされてくれるなよ」

「……えぇ、そんな無粋な真似はしませんよ!」

俺はソイツと視線を交差させた後に……

辺りの地形は吹き飛んでいた。



『戦廻所属外魔力解放!侵略レベル10オーバー!』

「何だって……!?」

侵略レベル10オーバーの敵

どれほどの被害になるか……!

(違う……)

私がするべきことは、

そんなことを考えることじゃない

私が出来ることは、一刻も早く

敵を討伐する為に冷静に判断を下すことだ

(それしか、私には出来ん……!)

『水瀬 凪!加賀美 炎矢!』

『もう向かってる!』

『もう向かってます!』

そんな、頼もしい声が無線から響く

だが、彼らにいつものような余裕は見られない。

『結界張ってある!市民のことは我々に任せろ!』

『オーケーオーケー、聞いたか?凪

思いっ切りやって良いだとよ』

『今回ばかりは、僕も手は抜けない』

冷や汗が頬を流れる

司令官が、市民のことは任せろと言った

市民を第一に考えるあの司令官が……

"それほどの相手"


―最強を観測するまで、残り3分――




《ブレイジングバレット》

先程の少年とは比べ物にならない程の威力

辺りの植物は燃え消えていた。

「この程度か!?マリス!」

「その余裕を消してやりますよ!」

(訛ってんな)

そう感じるのも必然と言えるだろう

何故なら彼は、彼が体に宿り戦うのは

正確でないが約100年程ぶりなる。

だが、しかし……

《レインバレット》

「グッ!」

その程度では埋まらぬ圧倒的な実力差が

2人の間には存在する。

「終わりだ」


―最強を観測するまで、残り――


《剣術技能 流水天》

《剣術技能 炎火陽突》

《アースンウォール》

瞬間、炎と水が混ざり合う斬撃と

土の壁が衝突し、爆音が轟いた。

「随分なご挨拶だな」

彼が創り出した土の壁は

崩れること無く、まだそこに存在した。

『腕が鈍ったんじゃないか?水瀬 凪!』

『それは君の方じゃないか?……加賀美 炎矢!』

軽口を交わしつつも、2人に余裕は見られない

それはそうだろう、目の前に居るのは……

強さだけを求めた者化け物なんだから。

「殺気立っているところ悪いが、

俺はお前ら戦廻の敵じゃない」

「にわかには信じがたい言葉だな」

「信用に足る発言じゃない」

「そりゃ手厳しい」

《剣術技能 炎日舞》

《剣術技能 水波舞》

炎と水の斬撃が踊り狂う中、

彼はソレを回避していた。

(……どーしたものか)

俺がアイツらに攻撃されない為には

信用を勝ち取る必要があるが……

「ハッ!」

あるじゃねぇか、方法……

一か八かの大ギャンブル!

《魔力解放 "解除"》

「はぁっ!?」

二人の刃が、彼の喉元の寸前で止まる

「どーゆうつもりだ」

「死ぬつもりか!?」

至極当然の問いだな、魔力を解除するなんて

死にに行ってるようなものだ。

「殺さないんだな」

「まだ敵と決まった訳じゃない」

《魔力解放 解除》

「炎矢!?何やって……!」

「敵の前で魔力解放するマリスが何処にいんだよ」

「だからって!」

二人がヒットアップしていく、

まぁ、話し合いが出来るぐらいにはなったか……

「はぁ、本当に君って奴は……」

《魔力解放 解除》

「感謝する、善人と戦うのは心苦しい」

俺というマリスか分からない不確定因子を

市民から守る為に剣を全力で振るっていた。

(良い時代になったもんだ)

「で、俺らと何を話すんだい?」

俺はその問いに……















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俺の中に最強が宿りました 月影 @mijage

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