第9話

「おはよう。」机の前で呆けていた僕のもとに、いつも通りの月曜日が来た。


「おはよう、下田さん。」これもまた、いつも通りの挨拶だった。


その後しばらくはいつも通りに仕事を続けていた。いつも通りでないことがあるとすれば、昼食を買いに行く彼女を僕が呼び止めたことくらいだった。


「下田さん。よかったら、どこか食べに行かない? ほら、今日は寒いからさ。」


「いいね。どこ行こっか。」突然の提案だったが、彼女は驚く様子もなかった。


「あそこの焼肉とかどう?」「午後会議だよ?」「そうだっけ? じゃあ……。」

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境界線 藤宮一輝 @Fujimiya_Kazuki

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