この物語を出せた作者に敬意を。


 影の底にいた俺を、輝く君が掬ってくれたね。

 不器用で、馴れなくて、でも暖かさを感じていたくて。

 たとえ、翼が溶けて地に落ちることになったとしても。



 読んでみて、これだけははっきり分かった。

 この話が実話を基にしているのは、間違いなく本当だ。

 読んだ際の傷つき方がとてつもない。半端な気持ちで読んだ自分を恥じた。

 これを書くのは、とても精神力が必要だったと思う。

 自分の抱える感情を、100%文章に吐露することは出来ないけれど、
 この物語に注がれた感情の大きさはその濾過を通り抜けて、
 彼とともに読者の心を抉るだろう。

 理由も分からず叫びたくなる一作だった。