轍(わだち)

轍(わだち)

　我（わ）が行（ゆ）くは

　我（わ）が在（あ）るままに

　我儘（わがまま）に

　唯我独尊（ゆいがどくそん）

「うらやましいな」

　イザ行（ユ）カン

　ミンナデメザス

　コトナカレ

　逃（に）げも隠（かく）れも

　するが勝（か）ちなら

　我（わ）れ行（ゆ）かん

　己（おのれ）の道（みち）の

　道標（みちしるべ）

　あてにならずに

　迷（まよ）い続（つづ）けて

「そうだよね」

　人（ひと）の間（ま）に間（ま）に

　流（なが）されて

　なんだかちがう

　生（い）きる意味（いみ）とは

　しがらみは

　我（われ）のみ非（あら）ず

　我々（われわれ）に

　巻（ま）き付（つ）き、絡（から）む

　生（い）きる意味（いみ）とは

　生（い）きる意味（いみ）

　心（こころ）に示（しめ）す

　羅針盤（らしんばん）

　叩（たた）き続（つづ）けた

「ちゃんと動（うご）け」と

　羅針盤（らしんばん）

　行（い）ったり来（き）たり

　揺（ゆ）れる針（はり）

　幅（はば）の真（ま）ん中（なか）

　行（い）きたい所（ところ）

　声（こえ）がする

　己（おのれ）の底（そこ）の

　更（さら）に底（そこ）

　耳（みみ）を傾（かたむ）け

　道（ゆめ）を知（し）る時（とき）

　道（ゆめ）見（み）つけ

　井戸（いど）から出（い）ずる

　蛙（かわず）かな

　空（そら）の青（あお）さを

　胸（むね）に宿（やど）して

　僕（ぼく）のまま

　そのままいこう

　成（な）るままに

　我（わ）が在（あ）るままに

　夢（ゆめ）を見（み）るまま

　夢（ゆめ）を見（み）て

　想（おも）いを馳（は）せる

　夢現（ゆめうつつ）

　世界（せかい）を穿（うが）つ

　成（な）ると信（しん）じて

　マグカップ

　ころりと落（お）ちて

　砕（くだ）け散（ち）る

　自分（じぶん）重（かさ）ねて

「こんなもんか」と

　バラバラの

　欠片（こころ）集（あつ）めて

　接（つ）ぎ接（つ）ぎと

　涙（なみだ）流（なが）れて

　息（いき）もできずに

　心（こころ）の根（ね）

　隅（すみ）に隠（かく）れる

　感情（かんじょう）が

　激（はげ）しく燃（も）ゆる

　種（たね）と知（し）る時（とき）

　手（て）を伸（の）ばす

　信（しん）じる未来（みらい）

　届（とど）かない

　繰（く）り返（かえ）しては

　前（まえ）に転（ころ）がる

　転（ころ）んでも

　進（すす）むこと知（し）る

　今（いま）を知（し）る

　こさえた傷（きず）を

　気（き）にも留（と）めずに

「はずかしい」

　そーんなことは

　ありません

　うつむく日々（ひび）も

　見上げる日々（ひび）も

　振（ふ）り返（かえ）る

　立（た）ってる場所（ばしょ）が

　たった今（いま）

　過去（かこ）から伸（の）びて

　キラリ輝（かがや）く

　待（ま）っている

　酸（す）いも甘（あま）いも

　知（し）る自分（あなた）

　未来（みらい）の先（さき）で

　ずっと微笑（ほほえ）み

　大丈夫（だいじょうぶ）

　大丈夫（だいじょうぶ）だと

　言（い）い聞（き）かせ

　信（しん）じる先（さき）に

　踏（ふ）み出（だ）す先（さき）に