人類の敵対種族へと転生した主人公が、大義のために敵も味方も巻き込んでいく異世界ファンタジー作品です。
主人公は生前の知識以外のほぼ全てを失った死者。
本来なら安寧の眠りにつくはずであった魂は、とある邪神の手で異世界へと転生を果たします。
生まれた先は魔族。望まれたのは生き足掻くこと。
世界は人族と魔族の対立が決定的であり、その戦火を啜り外なる神が顕現しようとしています。
その事実を知るのはごくわずか。世界を喰らう邪神に挑むためには、自身も悪鬼羅刹と叫ばれる必要すらもある。
果たして主人公は、世界の終焉を防げるのか。そして、全てが終わった先で、自由に生きることはできるのか。
ぜひ読んでみてください。
第十四話までのレビューとなります。
何度目かと分からない死を遂げ、再び転生を果たす主人公アビゲイル・セイラムには前世の記憶があった。前世といっても名前も顔も思い出せず、あるのは前世の知識とスペースマンとの邂逅の記憶。スペースマンは首より上が存在しない化物。主である魔皇の従う盲目白痴の魔王のメッセンジャーであり、百の貌を持つ無貌の者、その化身の一人とされ、視覚的な異形感がなんとも恐ろしい。
転生を果たした少女は魔族バジリスク。極端な実力至上主義である魔族社会で種族が支配階級に位置するのは僅か三種族しか存在せず、その実力は並みの魔族よりずっと強い。そして始まった蠱毒に近い魔族の訓練。コレが臨場感みなぎるバトルシーンで武器と魔法が激しくぶつかり合うので、特にファンタジーの戦闘シーン好きには読み応えたっぷりの物語ではないでしょうか。