第十四話までのレビューとなります。
何度目かと分からない死を遂げ、再び転生を果たす主人公アビゲイル・セイラムには前世の記憶があった。前世といっても名前も顔も思い出せず、あるのは前世の知識とスペースマンとの邂逅の記憶。スペースマンは首より上が存在しない化物。主である魔皇の従う盲目白痴の魔王のメッセンジャーであり、百の貌を持つ無貌の者、その化身の一人とされ、視覚的な異形感がなんとも恐ろしい。
転生を果たした少女は魔族バジリスク。極端な実力至上主義である魔族社会で種族が支配階級に位置するのは僅か三種族しか存在せず、その実力は並みの魔族よりずっと強い。そして始まった蠱毒に近い魔族の訓練。コレが臨場感みなぎるバトルシーンで武器と魔法が激しくぶつかり合うので、特にファンタジーの戦闘シーン好きには読み応えたっぷりの物語ではないでしょうか。