転生した神の眷属は地上で幸せに暮らしたい〜TwilightDestiny〜

第三十三話 闇の魔女と破壊神

「今日は魔法実技訓練を行います。各自１人づつ、得意な魔法を１つやって下さい」

「ウェンディ先生質問宜しいかしら！」

「はいメイサさん」

「初級が使えない場合はどうしたら良いのかしら」

「その場合単なる具現化でも良いですし、自由に披露して下さい。また攻撃魔法を使う場合はあそこの的を狙って下さい。杖は使っても使わなくても自由です」

そうして１人づつ披露していった。

正直、生活魔法にちょっと色がついたレベルか良くて的に初級攻撃魔法を当てる程度だった。

次は例の貴族の馬鹿息子だ。

「ファイアボール！」

確かに的を燃やす位には強かった。がその程度だった。

（なのに凄いドヤ顔だな…）

次はスピカの番だ。

「スピカ頑張れー」

「スピカしっかりねー」

「ス、スピカ頑張って」

「宜しくお願いします」

するとスピカは目の前の空中にタクトで術式をサラサラっと簡単に書いた。すると…

「うわああ何だ、何も見えないぞー」

「きゃあああ、真っ暗で！視界がー！」

「ぁはぁ、目がッ目があああああああ」

スグにスピカが術を解いて皆落ち着きを取り戻した。

阿鼻叫喚、大パニックになってしまった。

ウェンディ先生がスピカに今のは何か聞いていた。

「スピカさん今のは？しかも無詠唱でしたよね」

「闇魔法術式、眼暗増、です。一応超初級魔法です。攻撃魔法でも無いので安全な筈です。それに本来撹乱する魔法なので詠唱したらバレちゃいますよ」

「けど全員が掛るなんておかしいでしょう」

「本来単体なんですけど、術式計算で範囲魔法に書き直したのです」

「それはもはや初級魔法とはいわないのよ…」

それ以降スピカは闇の魔女として同級生から恐れられるようになってしまった。

次はニハルの番だ。

「ニハルー！シャキッとしなさーい！」

「ニハル頑張れー」

「ニハル君ファイトー！」

「エアカッター！」

無事的を切り裂いた。

「良かったよニハル」

「うんうん成功ね」

「地味よねー」「コ、コラメイサ！」

次はプロキオンの番だ。

「プロキオンファイト」

「プロキオン頑張って」

「派手なの見せてみなさいよ！」

「メ、メイサ！」

「ははは、抑えめでいくよ…」

「ライトボール」

一斉に皆驚いた。ウェンディ先生も驚いた。

王族でもない子が光魔法を使った事にも驚いたが、威力が初級魔法のそれを凌駕している。的の後ろの壁まで壊してしまったのだ。

「や、やってしまったー……」

「それでこそアタシの家来よ！」

「プロキオン大丈夫よ。い、一応初級魔法だし」

「う、うんうん。プロキオン凄いよ」

「プロキオンさん、威力は兎も角、何故あなたが光魔法を？」

「一応遠縁が王族で隔世遺伝らしいです。珍しい事らしいですけど…」

「そ、そうなのね…」

そんな感じで次はメイサの番だ。

「何だかメイサの杖って凄い豪華だよね…」

「うんうん、宝石一杯で羽もついてて可愛いな〜お姫様のバトンって感じ」

「あ、あの杖で平民なら一生食べるのに困らなそうだ…」

「見てなさいアンタ達！アタシが取っておきを見せてあげるわ。感謝なさい！」

同級生一同がキョトンっとした。

「メイサ抑えて抑えてー」

「メイサ小さく控えめにね！」

「メ、メイサ頑張って」

「アンタ達ニハル以外応援になってないわよ…」

「見てなさい！行っくわよ〜！！」

「ライトフレイムバースト！！！」

一瞬で魔法教習所が炭と化した。

「フンッ！アタシにかかればこんなものよ！」

「何その魔法ー！！」

「き、危険極まりない…」

「そ、それ融合魔法？魔法名が出鱈目だったけど…」

「融合魔法？出来ないわよそんなのー！これは無理矢理火と光を混ぜただけよ。フレイムバーストとライトアローしか使えないし」

「そ、そんな無茶苦茶なー！」

その後メイサはガッツリ怒られていた。

メイサが無理矢理作った魔法は光と火の融合魔法、フレアで有る。範囲攻撃だったのでフレアバーストとなる。

つまり融合魔法を初めて使って、１段飛ばしでバーストを使ったのだ。

夕食後

「あはははは、何でメイサは段階を踏まないのよ〜おっかしい〜、は〜お腹痛い笑いぢぬ〜」

「ミモザに言われたくないわよ！地味な魔法ばかりのクセに！」

「別に私は責めてる訳じゃないのよ。何でそんな事出来るのかが不思議なのよ〜」

「そんな事言われてもアタシにだって分からないわよ…」

「でも王宮で基礎はやったんでしょう？」

「最初からフレイムバーストだったのよ！」

「魔法は性格出るからね〜…クスクスクス」

「どういう意味よー！」

「別に〜、でもなんでライトアロー使わなかったのよ」

「あーあれ、真っ直ぐは飛ぶけど的に当たるか分からないからよ」

「コントロール悪いの？」

「なんか……何十本も…出ちゃうのよ…」

「……プッ、ギャハハハハハ〜面白ずぎるゔ〜だ、駄目だ笑いぢぬぅ〜ギャハハハハハハ〜」

「ちょっとー！笑いすぎよー！」

ベネトナシュの破壊神誕生である。