僕と風俗嬢!⑥

崔 梨遙(再)

1話完結:1000字

 20歳の時、僕は久しぶりに風俗店に行った。ちなみに、最初の彼女は風俗嬢だった。半同棲生活をした。それから、何人か他の女性も経験した。そして、また恋人がいなくなった。そこで! 久しぶりに風俗店へ行くことにしたのだ。


 その時、僕は年上の女性というものを経験したかった。今までも5歳上とかはあったが、そんなものでは足りない。30代の女性というものを知りたかった。そこで、僕は人妻専門店を選んだ。写真で33歳の朱里(あかり)という女性を指名した。


 僕の好みのタイプを選んだのだから、当然、僕は一目で朱里を気に入った。そこで閃いた。“童貞になりすましたら、かわいがってもらえるのではないか?”僕は、童貞だという設定にした。


「僕、二十歳の童貞なんですー!」

「あ、そうなん? ふうん、かわいくてええやんか?」


 終始、朱里にリードしてもらった。プレイ後、時間があったのでイチャイチャしながらお喋りをした。


「童貞、捨てたいやろ?」

「はい!」

「でも、ごめん、このお店は本番禁止やから出来へんねん」

「……はあ」

「でも、崔君やったらええかなぁ、崔君の初めての女性になるっていいかも」

「え! もしかして」

「今日、これから予定ある?」

「無いです」

「じゃあ、地下鉄の出口で待ってて、私は今日はこれであがりやから」

「わっかりました!」


 

 とりあえずレストランで食事した。そしてそのままホテルへ。


 下手に童貞の演技をするのは難しいと思い、僕は朱里に身を委ねた。なんと、僕の童貞演技が成功したのだ。朱里は僕の童貞を奪ったと満足げだった。僕の方は、熟した30代を知ったことで興奮していた。30代には30代の良さがある! 朱里が教えてくれた。ちなみに、朱里はプロフィールでは33歳だったが、実際は38歳(もうすぐ39歳)らしい。だが、僕にとっては33歳でも38歳でもどちらでも良いことだった。



 それから、朱里の気分次第でチョコチョコとデートを重ねたが、“童貞じゃないのに童貞のフリをしたこと”に対して次第に罪悪感が湧いてきた。だが、“童貞”と言ったから朱里と親しくなれたのだと思う。嘘も方便、嘘もつき通せば真実になる! 僕は朱里とそのまましばらく付き合った。



 嘘をついて、ごめんなさい! 20年以上経っているが、今、ごっつ謝りたい!







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