夢のゲストハウスを開業しようとしていた瑠唯の目の前に現れたのは、「神」を名乗る猫だった。
「禍つ物から、島を守るためにやって来た。こんな姿で出てきてしまったので、お前の家で飼ってくれ」
「うちは接客業なので、猫は入れられません」
取り付く島もなく、神に対してそう言う瑠唯。壱岐島だけに。
だがここは猫島と呼ばれる壱岐島。あっさりと神は瑠唯の祖母を篭絡。瑠唯は猫に「でうす」と名付けた。
ゲストハウスを訪れる、様々な秘密を抱える客人たち。そこで起きる、不思議なことの数々。
そんな中、瑠唯は、雪の中で「誰かを探さなければならない」悪夢を見る。
それはもう二度と会えない、大切な人の夢だった……。
神代から伝わる伝承と、外国からの玄関口でもあった壱岐島。はたしてそこに潜む「禍つ物」とは。
伝承に裏付けされた、ハラハラドキドキのストーリーも気になりますが、今作品は壱岐島の描写も素敵で、旅をしているように思えます。ぜひ。