主人公は機械仕立ての人形ふたり。
非常に美しい容姿でよく似た顔立ちだが男女の違いはあり、ふたりとも十代後半くらいの見た目。そんなふたりは旅をする野良人形です。
野良人形ふたりの旅の目的は『緑の魔女』を探すこと。なぜなら『緑の魔女』には人形を人間にする力があるからで……
しっかりと作りこまれた物語で、とてもリッチな世界観のファンタジーでした。ほかの人には真似できない、作者さんならではのオリジナリティを感じました。
情景描写は美しく、主人公ふたりも性格がそれぞれちがっていてキャラが立っています。そんな個性的な主人公たちにはしっかりとした目的があって、彼らには目的の為に急ぐ理由もあります。
その急ぐ理由のせいで、トラブるという展開も素晴らしかったです。
人形をロボットとして読めば、SFっぽく読めるところもいい!
ですので、異世界ファンタジー好きさんにはもちろんですが、SF好きさんも楽しめる作品だと思います。
人形なので壊れたりもするのですが、その壊れ方がとっても良かったです。壊れ方を読むだけでも価値があると思います。ぜひ、読んでみてほしい一作です☆
短いながらも、独特の存在感を持つ物語です。
その独特さの正体は、作者の竹神チエ様の感性であろうと考えます。
その代表的なモノを一つ上げますと、『快活のバネ』、『慎重のネジ』、『感情の歯車』といったワード。
一つと言ったのに、三つもある! ……って、上記の"一つ"は『ひと括り』という意味です。
人間と区別がつかない程の精巧な人形の性格が『バネ』やら『ネジ』やら『歯車』によって生み出される?
普通は『AI的なモノが内蔵されている』と考えませんか?
これは、逆に『天才の発想だな』と☆
私は『快活のバネ』、『慎重のネジ』、『感情の歯車』などというアイディア、100年考えても思いつく気がしません★
登場人物や人形、世界観など随所に作者様の独特の感性が溢れています。
ただ、少し苦言を呈するとすれば、中編の物語としては、『平坦に進行し、最後に大きな山がある』といった感じで、もう少し起伏に飛んだ物語であれば良かったかな、と★
コメント欄では、続きを期待する声が溢れていて、作者の竹神チエ様も『続編を書きたい』といった趣旨のコメントがあります。
それはそうだ! だって、この物語ね?
「えっ? ちょっ! ここで、終わるの? ここから、面白くなるところじゃんか!」
的な終わり方してますから!
続編も含めた本作シリーズが、竹神チエ様の最高傑作となって、書籍化、コミカライズにアニメ化まで発展するかどうか?
私は、『ポテンシャルはある。十分に可能だ』と考えています。
なんてったって、この作者様は天才ですからね☆
続編においても、『私が100年考えても思いつかない』設定やらなにやらを随所に見せてくれるはずです。
取り敢えず、期待票も込めて、★10個……。
3つまでしか入れられないのか? 残念★
旅のお話です。
ファンタジーを舞台にした旅のお話ですよ。
もうそれだけでちょっともうワクワクしませんか。
ファンタジー世界で旅をする、ってもうそれだけでワクワクするタイプの人間です。
行ったこともない世界。作者しか知らない知らない世界。何が起こるかわからない。何があるかもわからない。その場所の特産品が何かもわからない。
そんな世界を旅するのは、白い髪に銀の瞳を持つ、それはそれは美しい双子――の人形です。もうね、誰が見たって人間かな?って思うほどの人形です。
そんな双子人形は『緑の魔女』を探して旅をしているのです。
私好みの双子人形が(突然の性癖暴露)旅をするってだけでもワクワクなのに、そこへきて、目的が魔女探しと来たもんだ!私の性癖ハッピーセットかよ!何?!魔女を探してどうするの?!
ですが、当然そう簡単にはいきません。
手掛かりという手掛かりもないのです。
そんな中、双子の片割れであるユンゲに異変が現れます。かいつまんでいえば、故障です。
えっ?!
旅が始まったばかりなのに大丈夫?!
さぁ、どうなる!
こちら、中編部門参加作ということで、一区切りついておりますけど、二人の旅のお話がもっともっと読みたいです!続編お待ちしています!