恋煩いは 別れのあとに

碧月 葉

届けられない20のうた

君の夢 応援しようと決めた夜 止まらなかった涙は秘密


お仕舞いのキスと分かってしたそれは 酷く甘くて ほんのり塩味


本当は さよならだけじゃ無かったかもね 物言いたげな最後の唇


きらきらし時の流れが速い街 今ごろ君は馴染んでいるかな


耳ピクリ 思わず拾ってしまうのは 天気予報の君の住む場所


雨の朝 君がいた日を思い出す 桜の下の甘い香よ


雨上がり 星の降る夜 つい癖で 咄嗟に願う僕らの幸い


食器棚 奥にぽつんと眠ってる 君が作った手捻りの皿


空が裂け 雷鳴轟き 揺れる部屋 僕の悲鳴は誰も聞かない 


寝込んだ日 痛い苦しい 抱きしめて 君の労り求めてしまう


病み上がり 更に現実のしかかる 仕事の山に 溜まったゴミに


好物が 自然と増えた 君と居て 世界は色で溢れていたね


一人きり苦手なものが増えていく 恋の魔法は消えてしまった


大人ぶり 縛らぬ愛を選んだはずが 手放したのに心離れず 


寄りかかる君の温度が好きだった その背を押した自分のこの手


覚悟して別々の道決めたのに 胸の痛みは想定以上


馬鹿だよね 出会った頃の 僕の様 寝ても醒めても 君が恋しい


人は皆 時は薬というけれど いくら経っても癒えない恋傷


微笑みも乱れ姿も見せてるの 羨む資格 僕には無いけど


嘘じゃない 君が選んだその人が 優しい人でありますように


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

恋煩いは 別れのあとに 碧月 葉 @momobeko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ