ツ・・・ツンデレ!?
「・・・・・・時間ってこんな進むの早かったっけ??」
ソファーでくつろいでいた俺は徐ろにそんな事を呟いていた。
俺と陽菜は高校を卒業して、1年ぐらい前に結婚したのだがその実感が未だに無い。『気づけば結婚してた』って感じだ。かといって思い出が薄い訳じゃなくて、陽菜とデートに行った日、一緒に喫茶店巡りをした日などしっかり覚えているのだ。あ、もちろん今となってはしっかり愛しているよ。
すると、
「あんたが、ぼ〜っと暮らしてるからなんじゃないの?」
と意地の悪い笑みを浮かべる嫁からの鋭いツッコミが横から炸裂した。・・・・・・悔しいが全く否定が出来ない。
図星を突かれた俺は何故かこいつに何か一泡吹かせたい、という捻くれた気持ちが湧き上がってきた。要するに、逆恨みである。
(どーやってイジろうかな〜?)と、IQ10000(自称)の頭を使って0.001秒で思考する。
・・・やがて、一つの結論が出たので早速実践してみる事に。
俺は陽菜の方を向き、少し微笑んだ。
「それもあるけど、多分陽菜に夢中だったからだよ。」
「・・・ば、馬っ鹿じゃないの・・・!?」
そう言い、顔を赤く染めた陽菜が右腕をポコスカ叩いてきた。見事、作戦成功の様だ。あの日のまま変わらないポニーテールの黒髪が少し揺れ、照れながらもそれを隠そうとする行動、その全てが小動物感溢れてて堪らなく愛おしかった。
(うちの嫁マジ可愛いんですけど...)
思わず、俺は心の中で泣きながらガッツポーズを挙げる。
ここで何か疑問を持たれた方がいらっしゃるのではないだろうか。「何事にも塩対応&無関心だったのでは??」と。
そう・・・うちの嫁は【結婚してからツンデレになってしまった】のだ!!(若干、デレ多めだけど...)
いや、この場合『なってしまった』ではなく『進化した』と表現するのが適切だろう。
ちなみに何故『塩対応&無関心』な態度を取っていたかと言うと、男に近付いて欲しくなかったかららしい。実の所、陽菜は顔が良いのでめっちゃモテてたのだ。正直、羨ましかった自分もいる。そして、陽菜の武勇伝を語る上で絶対に外せないのは『1日最高4回告白された』事だろう。その全員が当たり前に玉砕。本当に罰ゲームとはいえよく告白したものだ。
そう思い更けながら俺は陽菜の頭を撫でる。
ん?陽菜の頭を撫でる??どうして???
俺は急いで頭から手を離す。ぶっちゃけもっと撫でたかったが、普通に突き飛ばされそうなので辞めといた。
俺は怒ってないか確かめる為、恐る恐る陽菜の顔を覗き込む。
「・・・っ///」
なに・・・顔を真っ赤にして照れている・・・・・・だと!?!?
「「ぐはっ...!!」」
俺は、心臓の鼓動が速くなって悶えた。
(あかん・・・そろそろ尊死してまう...。)
心のキャパが無くなってきたのをカバーする為、急いでスマホをイジる事を決断。
幸いな事に、スマホが近くのテーブルの上にあるのを発見した。俺は精一杯手を伸ばそうとする。
その瞬間、
ガシっ
俺の手は陽菜にキャッチされていた。
「え?陽菜さん?」
「・・・スマホなんかより、もっと撫でてよ・・・」
ああああああああ!!可愛いいいいいい!!
え!?本当に俺の嫁ですか!?!?だとしたら世界一の幸せモンですよ俺は!!
「シュー...」
「・・・せいや!?」
嫁が可愛すぎて遂にショートしてしまった。
言い忘れていたが、俺はつい感情が昂るとショートしてしまう癖があるのだ。つまり今は途轍もなく興奮しているという事である!!
結局、俺はすぐにショートが収まり一日中陽菜を愛でる事になるのだった・・・・・・
罰ゲームで告白して結婚した彼女は、ツンデレに進化してしまい俺の心臓が持ちそうにありません!! わけわかめ @wake_wakame
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