ANGEL

パ・ラー・アブラハティ

天使に羽を。

 何かをするためには何かを得なければならない。だけど、私は何も出来ない、何も得れない。


 こんな私だから未来への希望は薄く、過去への懺悔は絶え間なく。だけど私は確かにここにいる。自由を唱え、普通を享受、それはいったい何?自由とは普通とは。自問自答、分からない事ばかり。


 戻れるならば、昔へと戻りたい。もちろん昔にも嫌なことは沢山あるが、それでも後悔の方が多い。今の記憶を全て消してしまってやり直しをしてしまった方がマシに思えてしまう。


 あの時、ああしてれば。何ていうタラレバばかり唱えて。無意味な一円にもなり得ないものをずっと引きづって。いっその事、過去なんて忘れてしまって未来の自分に託してしまった方が、無責任で楽なのかもしれない。


 愛されたいと願うが、私を愛してくれる人は果たしているのか。天使のように私を無条件に愛してくれる人はいるのか。


 でも、私の背中には羽は生えていない。空へ飛ぶことも、どこかへ行ってしまうことも叶わない。私の向かうところは一体どこなのだろうか。このまま死にゆき、いつの間にか人生を終えてしまう。そんな一生を過ごすのだろうか。


 あぁ、いっその事みんなに愛される天使になれたなら。

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ANGEL パ・ラー・アブラハティ @ra-yu482

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