どんなスキルも使えると聞いて異世界転生した俺、いざ転生してみたらスキル欄は空欄でした 〜なってやるよ最強に〜

あさてお

第1章 冒険者の道

第1話 目指すは最強

 俺【一ノ瀬 勝】はそこそこの有名大学に通っている大学生だ。自分で言うのもなんだが器用なタイプだと思う。

  特に家で勉強したりせずに今の有名大学に進学できたのもそうだし、

  高校までやっていたサッカーでも、そこそこの成績を取ることができた。

  そんな俺が人生で1番ハマってるのは、勉強でもスポーツでもなくゲームだ!

  特に格闘ゲームにハマってからは大学の夏休みを全部費やすくらい超どはまり。


「よしっ、これで23連勝だな」


  ゲームもそこそこにできた方だと思う、ランクはその格闘ゲームの1番上であるレジェンドだったし中々負けることもなかった。

  当然といえば当然である、勉強よりもスポーツよりも時間を掛けてしっかりやってきたのだから。

  いつも通りゲームをプレイしていると、ゴットというプレイヤーに出会った。


「こういうちょっと変な名前のやつの方が強いんだよなぁ」


  そう思いつつも大層な名前を付けてるこいつを舐めていた。

  まあ勝てるでしょ。

  蓋を開けてみればボコボコにされていた、え?強すぎない?俺結構このゲームやってんだけど。

  俺の行動は全て読まれ攻撃も当たらない、まるで俺が今日初めてプレイしたかのような圧倒的な格差

  相手に一撃も与えられずに負けるなんて、初めての出来事で心底くやしかった。


「次は勝つ⋯⋯再戦だ!」


  自分のプライドにかけ、せめて一撃は与えてやろうと次の行動を考え、とくにく再戦ボタンを連打した。

  指痛えってなるくらいに──

  お?⋯⋯え?⋯⋯なにここ?  再戦ボタンを押したと思ったら、目の前に広がっていた白い空間に神っぽいなにか。がち超びっくり、いやまじ本格的に。

  そんな俺の困惑なんか知らないとでも言うように神っぽい何かが近づいてきた。


「突然だけど君には異世界転生してもらうよ!」


  近づいてきて何を言うのかと思ったら、さらに俺を困惑させてきやがった。


「まず誰なんだよ!  おまえさんは!」


  ここがどこかも気になってはいるが、目の前の不審者の方がよっぽど気になる。

  白いマントに白い翼、身長は少し低めか?  160cm前後くらいにみえる。

  顔も白いというのに足の指先から膝にかけてまでは漆黒そのもの、そして満面の笑み、気味が悪い。


「さっきは対戦ありがとう! ごめんね?再戦できなくて 」


  こいつゴットかよ!?  そんで口元にあやまる気が無さすぎる。

  目の前にゴットがいるのにも、驚きはしたがこいつには言わなきゃいけないことがあった。


「再戦はいつかしてやるからな!  逃げんなよ!」

「そうだね! そうなることを僕も望んでいるよ」


  次の勝利も確信したかのような余裕の表情、腹の立つやつだ。俺の中では勝手にライバル認定、もう負けないと誓った。


「そんで転生させるからには、なにか特別なスキルでもくれるんだろうな?  異世界転生ものみたいな」


ゲーム好きならとでもいうのだろうか、当然の如く漫画もアニメも好きだったし、異世界転生ものもよく読んでいて、少しばかりこの状況にワクワクしていた。

  あいにく俺は親も親しい友達も特にいなく、元の世界の心残りといえば家で一緒に暮らしていた、愛犬のメロのことが心配ということだった。

  今は唯一の親友にちょうど預けていたから、あいつなら何とかしてくれるだろう。

 

「あったりまえさ!  そうじゃなきゃつまらないしね!」


  さっきからちょくちょく煽ってくるから信用ならなかったが安心した。


「どんな最強スキルをくれるんだ?」


  魔力∞の魔法打ち放題だろうか、それとも生まれる種族が強いとか、俺しか使えない聖剣なんかも燃えるな、いっその事魔王でも勇者でも最強ならなんでもいい!


「転生した際には君をどんなスキルも使えるようにしてあげよう!」


  俺氏、勝ち確信and異世界転生最強ハーレムルート確信! まさにスキル∞じゃねえか!

  いやまてよ?  本当にそうか?  確認すべき所があると俺は思った。

  これによっては俺の能力は道端に生えてる雑草にも、道で拾った100万円にもなるぞ。


「おいゴット!  その世界には俺の他に同じような奴とか、そもそもスキルがあんまり重要じゃなかったりしないだろうな」


「それはもちろん!  君以外にはこんな能力を持っている、人なんて居ないしスキルがとっても、重要視されている世界だよ!」


  再び確信し俺は叫ぶ。


「異世界転生最強ハーレムルートきたぁぁぁぁ!」


  叫びながらその白い空間を走る姿は機関車のようだった。


「そんなによろこんでくれて僕はうれしいよ!」


  相変わらずのにやけ顔でこいつがまだなにか企んでることがあるんだろうと容易に想像出来てしまう。


「それじゃあ君を異世界に送ってもいいかな!」


  こんな好条件が揃っているんだ、転生したあとはしっかり鍛えて目指すは異世界最強の道。


「おう! 送ってくれ!」


─────────────────────


  転生後

 

  ステータス

〈名前〉 一ノ瀬 勝

〈種族〉ヒューマン

〈加護〉

〈固有スキル〉

〈スキル〉「 」

〈魔力〉


俺氏、スキル∞なのにまさかのスキルなし。


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