第6話

「それにしても透お兄ちゃん威圧は相変わらずだねぇー」


こうでもしないと、妹をナンパしてくるやつが後を立たない。そいつらに喋りかけられるのを防ぐためにもこういったことが必要だったのだ。志乃がイケメン好きだったら、そんなことはしないんだが、過去の一件から、男嫌いだからな。喋るのも嫌だってくらいにな。だからそもそも喋りかけられないようにする必要性があった。


「まぁ威圧は便利だからな。喋りかけられるのを防げるし」


「ナンパされないしね。さっきから視線は浴びるけど、すぐに目を逸らすのは透お兄ちゃんのお陰だろうしね」


るなもも別に男が好きなわけじゃない。だから興味もない男に話しかけられるのは嫌だろうから、俺の威圧感が役に立つ。ナンパ避けにはちょうどいいからな。るなもは一人のときはどうやってナンパを防いでいるんだろうな。気になるところだが、まぁ知ったところでなにもならないし、知らなくていいか。


「まぁな。それでるなもはどう行った服を着せるつもりなんだ?」


「クール系の服かな。透お兄ちゃんは派手な感じよりも落ち着いた服装が似合うからね」


それは俺好みだからよかったわ。これでめちゃくちゃおしゃれな服を着せられたら、どうしようかと思っていたわ。絶対に浮くしな。それからアニメのことを話しながら、歩いていると、ユニクロに着いた。結構歩いたから、疲れた。

少しベンチで休憩がしたい。


「少し休まないか?」


「透お兄ちゃんは武道をやっているのに体力ないよね」


「武道は瞬間的なものと、相手の動きを読むのに力をいれてるからな。体力は使わないんだよ」


武術を極めるやつは体力あるかもしれないが。俺はあくまで、その辺の奴らに負けないように武術をやっているのと、陰陽師として妖怪と戦うと、体術だったりを使うから、武術をやっているだけだからな。


「そうなんだ。なにか飲みたくならない?」


「そうだな甘いものが飲みたいな。なにか自動販売機で買ってくるか。一緒に行くぞ。またナンパされたら、面倒だしな」


「そうだね、私も甘いものが飲みたいな」


「それじゃ買いに行くか」


俺達は近くの自動販売機で買うことにした。マッカンあるといいな。あれほど素晴らしい飲み物は存在しない。甘いものこそ正義なのだ。そして自動販売機に着くと、俺はマッカンを探す。


「あったわ。さすが千葉の代表するイオン。マッカンは勿論あるよな」


千葉の誇るイオンだから、マッカンがないはずがないしな。しかもここ千葉市だし。まさにマッカンがなきゃ千葉を名乗れないくらいだ。まぁマッカンの聖地は船橋かもしれないが。マッカンだけの自販機があるからな。マッカン好きには有名だ。まぁ千葉県民なら皆知っていることだろう。知らないなら、そいつは千葉県民じゃない。


俺はマッカンをグビグビと美味しそうに飲んでいると、るなもははぁーとため息をはく。ため息を吐くと、幸せになれないぞ。まぁ美少女だから、それはないかもしれないが。彼氏なんてすぐに作れるだろうし、るなもが好きな人を落とすことなんて、たいして難しくないだろうしな。


「マッカンをそんなに飲んでいたら、糖尿病になるよ。飲むとは言わないから、ほどほどにしてね。、、、、結婚してもそれで速く死んだら悲しすぎて、後悔しか生まれないんだから」


全く飲むなと言わない当たり、優しさを感じるな。もう一人のよく話すクラスメイトからは厳しく飲むなと言われているくらいだからな。まぁあいつかなりの堅物だし。あだ名が堅物風紀いいんだしな。うちの学校は自由をもっとうとして、風紀委員など存在しないが。男女関係にもうるさくて困る。


「まぁ制限はほどほどにするさ。それで休んだし、ユニクロに行くか」 


マッカンを飲んでいたせいか気が緩んで、威圧感をおさえてしまって、今か今かと話しかけようとしてるやつがいるし。なんでそんなこと分かるかって?霊気で気持ちなど大抵分かるもんだ。それが陰陽師の商売に繋がっていたりする。どう繋がっているかはいつか話すとしよう。


「そうだね、透お兄ちゃんの服選ぶの楽しみだなぁー」


そんなにいいものかねぇー。晃一は素材かいいから、選ぶのは分かるが。あいつは雰囲気は主人公だが、よく見るとそれなりに整っているから、服を着せかえするのは楽しそうだけど。


俺達はユニクロに入ると、まずはズボンから決めることにした。シンプルにジーンズかね。まぁズボンにおしゃれとかあるのか分からんけど。女子と違って、下の服にスカートとかバリエーションがあったりするわけじゃないからな。


「ジーンズと黒のデニムのズボンかな。これなら上の服に合わせやすいし」


「シンプルでいいんじゃないか。それじゃ上を決めていくか」


ジンーズと黒のデニムのズボンをかごにいれて、上のティシャツを決めに来た。どれがいいかねぇー。まぁ俺はおしゃれとか分からないから、るなもが選んだのに決めるだけだが。るなもはしろティシャツと灰色のティシャツで悩んでいた。










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主人公の妹と始めるラブコメ 長濱こうき(元作家を目指す浪人生) @Ronisei

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