第3話

手のスベスベさ柔らかさに感動してると、あっという間に乗り換えの駅について、俺達は乗り換えた。乗り換えてからは手を握ってきてないが。べ、別に残念だと思ってなんかないからね。男のツンデレはキモいだけだな。うんやめておこう。本当はもっと堪能したいと思ってましたはい。そんなことを考えていると、凪はニタニタしていた。まるで俺の心を見透かすように。そんなに残念そうな態度がでていたか?


駅に着くと、凪は腕を後ろで組んで、上目遣いで俺を見て来た。あざとい。


「ふふもう一回手を握りたい?」


やっぱりばれてたんですね。どう答えるのが正解か、もっと握りたい、むしろ足をすりすりしたい。いやこれ手を握るとかじゃなくて、もはやただの変態だ。つい欲望がでてしまった。


「いやいい、これ以上やると視線で死んでしまう」


さっきから、男のものすごい殺気を感じるんだよな。その視線だけで、遠慮をするほどの。凪は残念そうに俺のとなりに来た。俺達は歩き始める。凪は始終笑顔だ。そんなに俺といるのが楽しいかね。俺は振られた後だから、笑顔どころじゃなく心は沈んでいる。そしてイオンに着いた。


「やっぱりでけーな。一日じゃ絶対に回れないわ」


「あらかじめ行きたいところはチェックしてあるから、そんなに時間はかからないよ」


俺が断っても行く気だったのか。まぁ俺に拒否権など昔からなかったが。別に楽しいからいいんだけどね。ただ男からの嫉妬の視線だけは何とかしてほしいものだ。あいつら俺を抹殺するような視線を向けてきてるぞ。普段は晃一に集中してるものだからあまり気にならないが、今は俺に向いてるから、冷や汗がたまらない。これを耐えてる晃一はすごいと感じたが、よくよく考えるとただ鈍感なだけだよなと思った。


俺達はイオンに入ると、なかは広くかなりの人がいるはずなのに密集感は感じなかった。これが東京との違いだ。千葉市は綺麗で色々整っているが、東京と違い混んでいない。やっぱり首都とその近郊の県じゃ差がでてくるよな。千葉の下の方の人はよく千葉市に来るが。千葉の下の方の人から見たら、千葉市は都会だからな。たからリア充が多く、美少女もちょくちょく見ることが多い。


「ここにいこ」


いきなりグッチかよ。やっぱり社長の娘なだけあって、お金は相当持っているんだろうな。それに売れてるアイドルもやっているし。晃一はブランドに興味がなく、どっちかというとアイドルグッツにお金をかけているが。いつかあいつなら、アイドルに鉢合わせして、アイドルまでも落としてしまいそうだ。


「分かったよ。いつもながら、ブランド店に行くと俺は浮きそうだよな」


おしゃれだけではなく、上品さもハイブランドの店にはなきゃ合わない。凪はそれがある。アイドルをやってるから、芸能人オーラがあるからだろう。俺は一般ピーポーだからな。晃一も入ったら戸惑うか?いや晃一ならよく女子といっしょにいるから、入慣れているだろうから、それはないか。そんなことを思いながら、俺達は歩きだす。


「透お兄ちゃんはもうちょいおしゃれしたらどう?きっと似合うと思うよ」


「お金がかかから、無理だ。それならアイドルにお金をかける。今日振られて、恋愛は無理だなと思ったから、いつも以上にアイドルに貢ぐ予定だ」


「それなら、私に貢いでよ。そうすればあんなことやこんなこともできるかもよ」


手を握ったりか。確かにそれは魅力的だ。だがそばにいすぎて、アイドルっていう遠い存在に感じないから、貢ぐのは無理だな。やっぱりアイドルは遠い存在だから、貢ぐのだ。晃一もそう考えているだろう。もっともあいつはアイドルと鉢合わせしてもおかしくはないが。


「アイドルとそんなことをするのに興味ないわ。それにそんなことをアイドルとやったら、俺が生きられない」


マジで本物アイドルと付き合ったら、間違いなく俺の個人情報がすぐにバレて、脅迫されるのがオチだろう。そして歩いてるだけで、戦々恐々としなくちゃいけなくなる。


「ビビリだね。私のファンだったら認めてくれるはずだよ。一部過激な人もいるけど」


その一部が危険なんだよ。少数かもしれないが、そいつらが束になったら、かなりの人数で襲ってくるからな。逃げ惑うことすら無理だ。まぁその前に凪が俺のことを好きなはずがないから、そんなことは起きないが。まぁいっしょにいるのかバレたら、炎上するかもしれないがな。変装してるし、雰囲気も違うから、早々バレないだろうが。


「とりあえず貢がないからな。俺は会えない存在にお金をかけるからな」


るなもやるんみたいに日常では会えないから、かけられるのだ。るなもに関しては地下アイドルだから、繋がれる可能性は他のアイドルよりかはあるかもしれないが、そんなことには興味ないからな。会えないから、アイドルを応援するんだ。非現実的な感じがしてな。


「まぁ気持ちは分からなくはないけど」


そんなことを話してると、グッチについた。いつも思うが、ハイブランドの前に着くと、圧倒されて、視線が気になるわ。そんなことお構いなしに凪は入っていたが。俺は諦めて、店に入ることにした。すると、マダム達の貧乏人がという視線を受けて、縮こまりながら、ハイブランドのバックなどをみる。値段が俺のおこづかいの何倍もあるな。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

主人公の妹と始めるラブコメ 作家目指すもの @Ronisei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ