第4話

「新田さんには悪い噂があるのよ」

ママがわたしの耳元でそっと

耳打ちしてくれたの。

「悪い噂って?」

「新田さんは名うてのおんなたらしだつてうわさ」

「ウソ」

わたしはあれだけのいい男だから

まあ、仕方がないかなとおもいつつも、

そういってみたの。

「ホントだよ。何人もの女性が新田さん

の毒牙にかけられたって」

「ウソ」

わたしは逃げるように二階に

登りあがっていったわ。

「ウウっ、.ううっ」

ベッドに潜りこむと、なぜかしら

急に涙がこみあげてきたの。

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