第13話 藤堂志津子と私

 この連載を書く時に、藤堂志津子さんは外せないよなと思っていた。大学時代に一番はまった作家さんだからだ。本当にはまったんです。本当なんです。


 言い訳から入るにはわけがある。というのも基本私は大学生まで小説はほぼ図書館で借りていて、藤堂志津子さんの小説、今手元に1冊もないんです。これを書くにあたって、私は3編読み返したい短編がありました。うろ覚えなんですが、彼氏に母親代わりにされていることを理解したうえで自分の人生を使うと決めた話。もう一つ、水商売の母親から離れて就職するも、貧しくて、おねえの友達にハンカチを燃やしながら主人公は水商売に戻るべきと諭される話。(スーツを石鹸で洗う描写がすごい印象に残っている)最後に、仕事が辛くて、結婚を焦るあまり大失敗してしまい、転職して自分の過去の失敗も告白したうえで新しい彼氏と付き合うまでの話。この最後のお話は、自分の体調が悪い時、思い切って休むようになって自分を好きになることができた、という表現が、今の自分にもう一度欲しい文章なので探したんです。本屋、ブックオフ、図書館。色々探してみたんです。


 ないのよ。助けて。記憶違い?作者違う?作者違ったらもうコナンも助けてくれないよ。


 ああ、読書記録付けとくべきだった。まさかこんなにわからなくなるとは。本好きの友人に聞いてみたんですが、私の周りの本好きは藤堂志津子さん通ってきてないんですよね。確かにですね、藤堂志津子さんの作品って、女性一人で生きていけるタイプなのに、なんか不幸な恋愛しかしてない人が多いんですよ。大黒摩季さんの歌詞みたいな女性が多いんですよ。だから読み終わって苦いものが多いけれど、私がそのタイプに近いのでリアルに描かれると救われるんですよ。小説って不思議ですね。


 まあそういう作家さんなので、「なんかお勧めの本ある?」と尋ねられた時に出てくるタイプではないのですが、間違いなく20代の私にいろんな女性の在り方をみせてくれた作家さんなのです。長編なら「きららの指輪」が好きです。


 けど、本当に気になる・・・!誰か私が言っている短編がわかる方、もしいたら教えてください!!

 

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作家と私 K.night @hayashi-satoru

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