第12話 井上真偽と私
突然ですが、皆さん、「アリアドネの声」をご存じでしょうか。私この本が2023年のベスト読書なのです。久々3時間ノンストップで読みました。
いやー面白い。これは読み終わった時「こんなの書けるかよ」と涙したものです。無理。井上真偽さん、すごいです!!まず設定がすごい。
『障がい者支援都市として地下含む巨大施設で地震が起こった。地下に取り残されたのはこの施設の代表ともいえる女性。耳も目も見えない、話せない。そんな女性を6時間以内にドローンで救い出す』
まず、この設定だけでもすごい。これ、設定だけ渡されても書けないですよ。想像つきます?つきませんよね。だけどこの素晴らしい設定だけに収まらない。次から次へと起こる問題、主人公の成長、衝撃のラスト。これはもう本当に読む手が止まらない1冊でした。
そして、ここから井上真偽さんの「アリアドネの声」と東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」のちょっとしたネタバレなので、読んでない方はここでストップでお願いします。
私もうこちらのラストを誰かと語り合いたいんですが、こちらのラスト、女性が叫ぶんですが、それが東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」のラストと同じなのですね。同じだけれど、絶望を叫ぶのと希望を叫ぶので真逆なんですよ。これがもう痺れた!この真逆さこそミステリーとフィクションの違いだなとしみじみ思ったのです。本のジャンル分けにちょっと自信ないですが。容疑者Xの献身も傑作ですよね。どちらも愛の形をある意味で描きだしているんですけど、入れるミキサーが違うと同じラストでもこうも読後感が違うのかと。どちらも痛快ではあるんですが。もうね、すごい勉強になる2冊です。未読の方はぜひ!!読んで後悔しない1冊の紹介でした。
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