第3話
『俺たちは星を壊すために生まれたわけじゃない。お前は愛を美しいものだと思うから与え続けている、でもそれが人を狂わせ星を殺している。やつらは真実を知ったとき、お前を殺すよ。お前を崇めていたやつらですら手のひらを返してな。お前がやるチャレンジはそういうことだろ?バカだなあ・・・J。』
じんと両手が熱くSは視線をおろした。
両手が燃えている。
『ああ、始まったんだな。』
瞼を閉じてJの世界へ降りる。Jの前には沢山の人が溢れ涙を流している。
世界が終わる前にと口々にJを求めているようだ。
抜け殻のように弄ばれてJはその場に倒れこんだ。
遠い空で雲が広がり光が差し込んでいる。
赤い煌めきとともに海へと落ちる機械の固まり。
地面が割れて悲鳴を上げながら落ちていく人々。
SはJの体から小さな光を取り出してその場を離れた。
『助けてくれるって思ってた。』
黄色い光がSの手のひらで踊っている。
『ああ、助けるさ。お前だけはな。 』
『知ってたよ。ありがとうS。僕はね、Sみたいに優しくはないんだよ。君が一生懸命僕を止めようとしてくれたのにね。』
星が落ちてゆくのを見つめながらJの光はゆっくりと形になって微笑みが見えた。
『彼らが僕を奪いつくすのは運命なんだって言っていたからね・・・僕は彼らが見た未来を見せてあげたんだ。美しい星は汚されて愛をむさぼって・・・。』
ビハインド 蒼開襟 @aoisyatuD
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