第3話卒業

「よしっ!お前に、教えることは何もない。良く3年間この厳しい修行に耐えたな、ゼットリー・チェンよ」

師匠は優しい口調で言った。

「案外かかりましたね」

「お前が、週休2日。1日2時間にしたからだろっ!こんなん、真面目に毎日修行すれば、1年で済むんだ」

「まっ、アザース。じゃ、師匠」

ゼットリー・チェンは帰ろうとした。

「待て待て、何、直ぐに帰るんだよ!」

「だって、修行終わったじゃないすか」

「3年間も修行したんだろ?なんか、師匠と弟子の師弟愛とか絆みたいなのがあるだろ?」

「おれ、酔拳見たこと無いんで、じゃ」

「待て待て、何で直ぐに帰ろうとするんだよ。寂しいでは無いか」

「もう、今日は打ち上げだし、時間無いんすよ」

「打ち上げ?わしは知らんぞ」

「うちの仲間内の打ち上げなんで」

「じゃ」

ゼットリー・チェンは帰っていった。


彼は、復讐のふの字もない生活を送ったと言う。

師匠、チェン・パイは、酔拳道場を開き金持ちになったらしい。


終劇

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酔拳2 羽弦トリス @September-0919

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