第19話 覚悟のその上

「...はぁ。お兄ちゃんって私の想像よりやばい人だったんだね」


「べ、別にやばくはねーよ!ただ...その...押しに弱かったというか...それと...罪悪感...はずっとあったから」


「子供のお兄ちゃんに出来ることなんて限られていたと思うし、少なくても助けるなんてことできなかったと思うけどね」


「...それでもだよ。それでも...何かはできたかも分からない」


「...だからってお兄ちゃんになんでも要求するのはやり過ぎでしょ。私はそう思う。そっちはちょっと今すぐってわけには行かないけど、幼馴染さんのほうは取り敢えず会って話さないとだね。これからのことをどう考えているのか」


「...萌ちゃんはどうするべきだと思う?」


「私に選択肢を委ねられても困る。けど、アドバイスとしてするなら、2人ともやめておいた方がいいと思う。もし付き合うとしても、瀬崎さん?っていう人の方がずっといい気がするし」


「...そうだよな。やっぱり」


「分かってんなら話は早いでしょ」


「...ありがとうな」


「別にいいっての。じゃあ、一つだけ私からのお願い聞いてくれる?」


「おう。なんでも言ってくれ」


「...あの2人を離婚させて欲しいの」


「...はい?」


 ◇


 あの日のことが頭から離れない。

初めてのキス、初めてのまぐわい、初めてだらけの体験。


 私的にはもう付き合ってるってことになっているのだが、宗也から一切連絡が来ない。


 え?これヤリステってやつなの?それとも私から連絡されるのを待ってるの?と、不安が渦巻いていた。


 そんな中、一通のRINEが届く。


『おはよ。今日暇?』9:15


 もちろん相手は宗也だった。

待ちに待ったRINEに無邪気にはしゃぎながら、待ち合わせの時間と場所を決めて、浮かれ気分で準備を始めた...のだが。


 12:45


「...お待たせ」


「お、おう...」「お久しぶりです」と、そこには義妹の彼女も立っていた。


「...何で萌ちゃん?がいるの?」


「...えっと...その...」


 もしかして、すでに妹と体の関係があるとか言わないよね?やめてよ、そんなの。


「...色々とお二人の関係について、はっきりさせたくてきました」


 はっきりさせるの!?いや、させたいけど...。あれは流れで勢いだったから...本当は私のことなんてもう好きじゃないかもだし...。


「そっか...。わかった。はっきりさせよう。私は好きだよ。宗也のこと」


「...ありがとう。けど、付き合うなら色々とはなさいと言けないことがある」


「...私は全部を受け入れるよ。それに全部を許すから」


 そう息巻いたものの、聞かされた真実は私の想定を遥かに上回る事実であった。


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擬似ハーレムを作ろうと4人同時にレンタル彼女したら、全員知り合いで地獄絵図になって草 田中又雄 @tanakamatao01

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