第18話 激震
「なんかあった?」
「え?何が?」
「いや、なんかソワソワしてるから」
「別に...。てか、また家出か?お母さんとうまく行ってないのか?」
「...まぁ、元々あんまり馬が合うタイプじゃないからね」
「...親父とはうまくやってそうなのか?」
「そっちは安心して。別にそのことで揉めてるわけでもないし」
「...そっか。なら良かった」
またしても家出と称してお兄ちゃんの家に泊まりに来ていた。
最近は家に女の子を連れ込んでるようには...見えないよね。
「...なぁ、少しだけ相談に乗ってくれるか?」
「...何?」
「エッチしたらそれはもう付き合ってるってことでいいと思う?」
「ぶっ!!仮にも義妹にそんなこと相談する!?//」
「いや、こんなことはむしろ義妹しか聞けないだろ」
「...そりゃ関係性によるんじゃない?世の中にはセフレとかいるし...。スポーツ感覚とか快楽重視でする人もいるだろうし...。大事なのはしたことじゃなくて、するに至った経緯の方じゃない?」
「...なるほど。経緯か」
「...ねぇ。それはまさかお兄ちゃんの実体験じゃないよね?」
「ま、まさか!友達とそんな話になったんだよ!」
「...ふーん?まぁ、そういうならそういうことにしておいてあげる。それで?その人はその女の子のこと好きなの?」
「...好きだった...だな」
「ふーん。過去の女ってやつ?まぁ、それはお互いに燃えちゃうのもわかるけど、長くは続かなさそうだね」
「...なんで?」
「そりゃ、過去の女だから。ほら、ずっとお互いに思い続けてたならまだしも、久々に会ってお互いに実は好きだったーなんていう関係は長く持たないんじゃない?瞬間最大風速がすごいだけで、それがずっととなるとお互いに冷めるのも早そうだなって。イメージだけど」
「...」
察してはいたが...これはおそらくお兄ちゃんの実話だ。
だとしたら...その相手は...初恋の人...?
ちょっとヤンデレ感あるあの人かな?
...しちゃったってことなのかな?
嫌だな...。
でも、気持ちはまだ傾いてないよね?
勝負に出ないとダメだよね。
「...それで?お兄ちゃんはやっちゃったわけ?」
「...いや、これはあくまで友達の...」
「そういうのはいいから」
「...まぁ...その...うん...そうです」
「それで?あの黒髪ロングの人?」
「...そうです」
「それで?どういうことがあったわけ?」
それから事情を聞いたわけだが、まぁ簡単にいうと流れのままにしてしまったということらしい。
正直、あんなに可愛い子にしかも初恋の子に迫られたらまぁ仕方ないかなと納得する部分はある。
しかしながら、当然受け入れられるものではなく...。
「そんで?それをしたあとどういう会話があったわけ?」
「...まぁ?その...付き合うみたいな話は向こうはしてこなくて...そのバイバイみたいな?んで、連絡が特に来るわけではなくて...これって捨てられたんかな?」
「...知らない。そういうのって普通男から連絡するものじゃない?」
「...そうかな。でもでも怖くない?ブロックされてたりとか考えたら...」
「そん時は...まぁ、私が慰めてあげるよ」
「...我が妹よ」
「はいはい。そういうのいいから。もし、1人で会うのがあれなら私も同席してあげるし」
「我が妹よ!」
「それで?付き合う覚悟はできてるの?」
「...」
「何?お兄ちゃんって実はヤリチンなの?」
「...そうじゃないんだけどさ...。実はもう一つあって、、、」
「...何が?」
そうして打ち明けられたことは、最初のものより圧倒的衝撃のものだった。
「...あの人とは...そういう感じだったんだ」
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