茅野は事件に巻き込まれる
河早はると
第1話 梅干し野郎は突然に
やあ、僕は田舎か都会か分からないうるさい町に住む高校生、
最初の事件は高校一年生の春の終わりに起こった。朝も不細工な女性に自転車で激突してしまう不幸が
その瞬間、男が大きな声を上げてナイフのような凶器をポケットから取り出した。と、同時になぜか僕も席から迫害されるかのように押し出された。最も、何者かに押されたんだが。勿論、何がなんだがわからなかった僕は、「へ?」と
僕の鍛えてもない腹に長い刃物が「ドスッ」という聞きたくもない効果音を鳴らして刺さり、僕は倒れこみ血を流す、はずだった。見ていた周りは思わず悲鳴を上げる。だが、僕だけは違った。「はーっははははははは!あはははははははははははは!はっははっはははははははっはー!あー…面白い!最高だよ。」 思わず口を歪めて笑ってしまった。死ななかったとなれば何も怖くない、そして口を開く。「僕が沢山の教科書を鞄の中に入れてなくて、背中に背負っていたりしたらまだ違ったんだろうなあ。だろ?そう思わないか?」僕が生きている事になのか、何故自分がこんな事をしたのかと後悔したのか知らないが、殺意と怒りで梅干しのようになっていた男の顔が一気に青ざめた。凶器は僕が体の前に提げていた通学鞄に刺さりはしたものの、中に入っていた大量の教科書に阻まれ抜くことすらできない状況になっていた。男がすべてを諦め地べたに尻もちをつく。
男は何で鞄の存在に気付かなかったのかって?知らないね。興奮状態で鞄なんて目に入らかったんじゃないのかな?そんでもって次の駅に着くとともにその男は駅員に連れていかれていた。動機は、「もう生きることに意味を見出せなくなったから、人を殺して死刑になろうとした。」だそうだ。そんな私情で人を巻き込んでほしくないものだが。まあ学校には遅刻した。
学校で先生に遅刻理由を聞かれことの経緯を話すと、大爆笑。「んなもんあるか!嘘つくならもっとまともな嘘つけよ。」と言った。けれど電車は遅延しているので遅刻扱いにはならないはずだ。不幸中の幸いだな。そして、僕を押したのが結局誰だったのか。先輩は大丈夫だったかな、などと考えながら登校途中にコンビニで買った干し梅を頬張り、この事件は幕を閉じた。
茅野は事件に巻き込まれる 河早はると @Halt1729
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