西さんちの「にゃっ!」
西しまこ
鳥ちゃんのTシャツ♪
ある日、西さんちにかわいらしいTシャツが届きました。
お友だちの鳥ちゃんがデザインしたTシャツなのです。かわいいのです!
しまこはグレー、長男くんは黄色、次男くんはメロン色です。
みんな、うきうきしました。
「ねえねえ、今度スーパー銭湯に行くとき、みんなでこれ着ない?」
「いいね! そうしよう!」
「楽しみ! かわいいよねっ」
しまこ、長男くん、次男くんで話していたとき、夫くんが言いました。
「ねえ、おれのは?」
「ないよ」
三人は口を揃えて言いました。
「だってさー、これ、夫くんが出張のときに買ったんだよ。夫くんは着ないよって、長男くんが言ったんだよ。だから買わなかったの」
「……おれ、着るのに」
「えー」
「しまこちゃん、お揃いで着ようよ。また買おうよ」
「にゃっ!」
しまこは華麗にスルーしました。
魔法の言葉「にゃっ!」を使えば完璧です!
夫くんが出張でいなかった一週間、あらゆる家事を怠けていたことを知られてはいけません! 「夫くんがいないと楽だよね」なんて言っていたことなんて悟られてはいけないのです。
「にゃっ!」
魔法の言葉です。クフフフフ。
全てを解決するのです。みなさん、覚えておきましょう。
いいですか? 元気よく笑顔で「にゃっ!」。
スーパー銭湯に行く日、しまこと長男くんと次男くんは、うきうきと鳥ちゃんTシャツを着ました。
「しまこ、女物のM買ったけど、Sにすればよかった」
しかし着てみたら、Mでいいではありませんか!
しまこはデブになったことをすっかり忘れておりました。
しまこが9号サイズのワンピースを着たとき、デブりすぎて座るとボンレスハムになることが分かりました。
「ねえねえ、次男くん。これ、ジャケット着ればだいじょうぶかなあ?」
「無理じゃね?」
次男くんは無情にも言い放ちました。
彼には忖度というものが存在しないのです。
「にゃっ!」
とりあえず、魔法の言葉を使いました。
しまこが痩せる日も近いことでしょう!(え?)
お・し・ま・い★
西さんちの「にゃっ!」 西しまこ @nishi-shima
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます