母の日に 母代わりだった人 え 2024
与方藤士朗
どくいりカーネーションを詩にして、あの「母」へ
私には、母親と言える人が実の母以外にもいる。
今回は、そんな母親のことについて述べていく。
これは、毒入りカーネーションともいうべき詩なのかもしれない。
なぜ、毒を入れる必要があるのか?
それは、これからお話するとおりです。
嫌な気分になられたら、直ちに退出してください。
親不孝を極めた ヒトデナシ=人非人 であると思われたなら、
どうぞ、御遠慮なく、コメントしてください。
私は信念をもってこの詩を世に出すのである。
罵倒返しを御覚悟のうえ、御自身の自己責任においてどうぞ。
~ マジでやります。乞うご期待!?
それでは、参りましょう。
・・・・・・・・ ・・・・・ 、」・・・・・・・・ ・・・・・ ~。
昭和末期の、私の幼少期。青年になるまでの10年間。
私は、育ての母というべき人と出会えていた。
今、私は、あの頃あの家の人たちと向き合っている。
毎日一人で、かなりの時間パソコンに向ってね。
あの頃の記憶をたどり、小説に落とし込む作業。
高尚な創作活動とは、正直、程遠いのが実感。
それにしても、あいつは、いいよなぁ~。
あの家のあった学区の小学校の同級生、K君。
放送局やめて映画監督。仕事とはいうけどさぁ、
キレイなおねえさんと一緒に仕事できて・・・。
それに比べて、わしゃ何なんだ。
一人でパソコンに向って、あの黒歴史に・・・
ま、文句を言っても始まらないか。
あ!
たった今、思い出した。
あれは1982年の夏。昭和57年のことでした。
私は、当時中1。その夏休み中のある日の出来事。
ちょうど、短期里親で泊りに行っていたある日のこと。
彼女とは、その家の母親。今の私より少し若いくらい。
和服が板についた、愛情あふれる慈母であった。
なんせ、茶道の師範もされていたような方でしたから。
そんな彼女が、突如、こんなことをぼくに言ってきた。
人にしてくれることばかりだけど、人にしてあげることを覚えなさい。
なぜ彼女は、あんな言葉を発したのか。
あの母親は何を思ったのか、
たまたま休んでおられた娘さん、私より10歳ほど上の方に、
今日はお姉さんに何かをしてあげなさいなどと、ね。
お姉さんも、困惑していただろうな。
何かしてあげろと言われても、迷惑だぜ。
ここにいてもしょうがないや。
結局ぼくは、一人で近くに遊びに行った。
一人になれることが、あの頃のぼくの最大の幸せだったから。
行ったのは、確か、自転車で法界院駅あたりまで。
岡山駅の隣の、津山線の駅。近くの学校に通う生徒の乗降多数。
だがこの日は夏休みで、行ったのはもう昼過ぎ。
さほど利用者がいたわけでもありませんでした。
そんな法界院駅前の自動販売機では、こんなジュースが売られていた。
ハイビスカスドリンクと名付けられた、赤い花の描かれた缶ジュース。
飲んでみたかったけど、金、なかったから。
その日は、飲まなかった。いや、飲めなかった。
夏の暑い日だったことを、今、思い出した。
確かに暑かったが、もう立秋は過ぎていた頃じゃなかったかな。
しかしあのバアサン、一体何様のオツモリだったのだろうか!?
時は流れた。
42年後の今年は、2024年。令和6年。
和は和でも、昭和ではなく平成を超えて令和になって久しい。
窓の外は小雨が降っている。今日はもう、外には出ないつもり。
今日の酒食は、すべて自宅に賄っておいたから。
私はその後今まで、ハイビスカス飲料を飲んだことはない。
酒も含めて、ね。
どうも酸っぱいものらしいけど、糖分入れたら甘くなろうな。
あの缶に描かれていた花にいざなわれて、ハイビスカス飲料を検索してみた。
かれこれ調べていると、どこからか、声が聞こえているような気がした。
それは、君の成長過程には必要だった出来事なのだよ。
ああいう人も世の中にいるのだってことを、君は知る必要があった。
だが、今の君にはもう必要ない人だってことも、確かだ。
君は今年で55歳。
誕生日が来ていない? じゃあ、54歳だね。ま、いいか。
当時の母親、いや、その女性と同じくらいの年齢だろう。
れっきとした、大のオトナになっているじゃない。
もういいじゃないか。
書く気があるなら、書くだけ書きなさいよ。
書き切った時、君は、間違いなく作家としての力をつけている。
だまされたと思って、しっかり描き切りなよ!
そんな声が時空を超えて聞こえてきた。私には、確かに聞こえた。
そしてそれを今、文字に起こした。
2024年5月12日。5月の第2日曜日。
今はちょうど、昼時。今日はまだ、朝から何も食べていない。
5月の第2日曜日。今日は今年の母の日。
こんな日にとは思う。そもそも、辛い作業だ。
だけど、こんな日だからこそ!
かつて母親代わりをしてくれた彼女の正の側面だけでなく、負の側面も、
もう一度検証して、きっちりと描いていこう。
今の自分の言葉で、今目の前にあるこの電子機器で。
あの日のあの駅前の自動販売機に飾られていた缶に描かれていた赤い花。
その花にいざなわれて描かれた、
どくいりカーネーションともいうべき一編の詩、ここに完成せり。
これをただ今より、全世界に公開する。
これが、今年の今日という日の、私にできる最大の親孝行である。
そのことを、最後に申し添えておく。
・・・・・・・・ ・・・・・ 、 ・・・・・・・・ ・・・・・ ~。
↑ 注
これは、かつての国鉄電車特急に装備されていた、鉄道唱歌のオルゴールの音をモチーフにしたものです。
母の日に 母代わりだった人 え 2024 与方藤士朗 @tohshiroy
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