彩り【第2回俳句コンテスト二十句参加作品】

さんが(三可)

彩り

草の芽に指折り詠むはリハビリよ

春寒し一次通過も妻は散り

受験日の平温願うおりんの音

春眠し父のスマホも目覚ましに

手酌酒一切れ多き初鰹

六人に子供神輿に捲る袖

孫とまた褪せし漫画にソーダ水

夏帽子騒ぐ釣り餌にソーセージ

炎天下飛び石濡れしけんけんぱ

孫仕様重箱埋めし若牛蒡

雨に消ゆクレヨン書きの短冊や

通勤路と逆の指示器葡萄狩り

うたた寝のライブカメラの月今宵

弁当も庭から眺む運動会

敬老の日祝う餅をどら焼きに

珈琲と霜取り暖気待つ車中

二十年鍋の香にさえ知る機嫌

カップ手に釣り銭五枚息白し

保護具手に天井見上ぐ事務始

ポケットの父の手袋柄違い

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