夜の白鳥

友達から聞いたこと

　翌朝起きた後、同室になった人たちに昨晩の話をしたら、同じように不可解なことがあったと言ってきた人がいた。

　それぞれのベッドの壁にはヒートンがついていて、そこにハンガーが掛かっている。なのだが、その人が言うには夜にかたん、と音がしたそうだ。不審に思って周りを見たら、俺が寝ていたところのハンガーが落ちていたらしい。

　それに気付いたその人は、ハンガーを戻そうとした。しかし、ハンガーを持つ手が震えて上手く掛け直すことができなかったらしい。

　更に、それが一個だけならまだよかったのだが、周りを見ると何個も同じように落ちているハンガーがあったらしく、一通り戻そうとしたのだが、やはり全て同じように手が震えてうまく戻すことができなかったらしい。

　その人は怖くなったのかそのまま寝たらしいが、翌朝起きたらハンガーはちゃんと何もなかったかのようにヒートンに掛かっていたような気がする。

　あの話は作り話だったのか、それとも他の誰かが戻してくれたのか、真相はもう誰にも分らない。

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　これで完結になります。

　読んでくれた方々本当にありがとうございます！