夜の白鳥

角野一樹

自分が見たもの

 これから、少年自然の家で宿泊をしたときにあったことの話をしようと思う。


 あるイベントで、とある少年自然の家の2階に泊まることになった。

 その部屋は、ドアを入って左右に2段ベッドが3つずつ、奥に並んでいる縦長の部屋だった。その間には畳があって、奥の壁には窓がついていた。

 俺は、その部屋のドアから向かって左側、一番奥下段のベッドで寝ることになった。

 しかし、その部屋はことで悪名高い部屋だったが、特に気にすることなく日中の活動を終えた。



 消灯時間もとうに過ぎているというのに俺はなかなか寝付くことができなかった。

 そんな俺は、何を思ったのかふとドアのほうを見た。

 そうしたら、

 ドアの右側に白い人影が立っていた。

 ビビり散らかした俺は、布団にもぐり込んだのでその後は知らない。そのあと少し経ってから、怖いもの見たさでもう一度見たらいなくなっていたのを確認したくらいだ。ただ物音ひとつ聞こえなかったような気がするが。

 その時は見回りにきたスタッフだったのだろうと思って心を落ち着けて眠りについた。



 しかし、不可解ななことはこれだけではなかったのである……

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