転移したんだが、察するにどうやら世界は繰り返しているみたいで、それを理解してるのは世界でわずか数人、そいつらに俺は避けられたり、歓迎されたりする

第1話

「はじめまして天宇威斗(アメノウイト)君、私は数百柱ある女神の一人ナギサ、最近生まれたばかりで、転生を管理するのは君がはじめてなの。」

   そうか、俺は死んだのか。本当、バカだな

  〜遡ること3時間〜

   今日も快晴、宮崎の夏は暑いな。今日がお盆の最終日だし、今から福岡に帰るんだけどな。父が言うには、最後に芸能、縁結び、その他たくさんの神社にいくそうだ。というわけで、絶賛、車の中。案外、外は暑くない、宮崎だけど標高が高く、神聖だからだろう。とまあ、そんなことはさておき、どうやら着いたようだ。

「宇威斗、着いたぞ。」

「ありがとう。運転お疲れ様」

 父にそう返す、本当はこの後、数時間の運転が待っているのだが、SA毎に感謝すると、父はなぜか運転を頑張るのだ。理由は明確だけど。

 それから、父と共に本殿へと歩みを進めた。

『面白い冒険や出会いがしたい』

 俺はそう祈ることにした。二礼二拍手一礼。よしっと、父も満足そうだし、帰るか。

 そして俺たちは帰路についた。

  それから時間が経ったその時だった。事故で混み合っていたので、10号に降りることにした、そのままいけば小倉に着く。

  暇だな、変わらない景色に飽き飽きする。

「え、あれクマか?」

  父が声をあげた。その声を聞き、俺も前を見た、すると、大きなクマ、だが、博識な俺でも知らない種どころか、属から違いそうだ。そうじゃない、九州にクマはいないはずだ。そして前方の車、俺とおなじぐらいの年齢の娘を含む、一家が襲われている。俺は我慢できず、車から飛び出した。そして、自慢の運動能力でクマを引きつけ、追いつかれそうになったタイミングで、後ろへと高く宙を舞い、クマを殴った。ものの、なぜか、そのクマには効かなかった。




「そして今に至る、合ってますよね、女神様」

「合ってますが。なぜ、普通のクマには勝てるのですか?本当に第一の世界の人間なのですか?」

 女神は大層驚いた。 いとかわいらし とはこのことだ。

「僕だからです。そんなとこはいいので、あれ、なんなんですか?」

  失礼な口調だなと思った

「いえ、大丈夫ですよ。今のは失礼な口調に対しての返答です。私たち、心を読めるんです。質問でしたね、あれは、第二の世界、あなた方が言う、異世界のクマです、新人の私の手違いで送り込んでしまったので、宇威斗さまがあちらにそのままで転移したいと言うなら、チートスキル2つと膨大な魔力を与えんましょう。ミスしたのは私なのに尊大な口調ですみません。」

「いえいえ、女神様なんですから、僕に謝らなくてもいいですよ。ちょうど、今生きていた世界では、僕は役不足だったので、異世界にいきたかったんです。後、身体能力を与えないのはなんでですか?」

「だって、ほぼ、第二の世界の人類の身体能力はあるので十分と思ったんです」

「でも、クマに勝てませんでしたよ、僕」

「説明足りなくてすいません、魔力を持つと、身体能力はある程度上がります。そして、魂に力を秘める人、勇気のある人にはそれに加え、身体能力強化をするのですが、膨大な魔力を与えますと、宇威斗さまは、その時点で並大抵の英雄が1パーティー分の強さになります」

「なるほど」

  どうやら俺は、転移前でなんかやっちゃいましたしてるのか。俺、すごいな

「では、チート2つ選んで下さい」

「そうだな、じゃあ、最強の目と刀」

「そうですね、竜眼<ドラゴズアイ>と慧眼をあたえましょう。そして、ヒヒイロカネ製日本刀『無銘』とオリハルコン製レイピア『クリティアス』そして聖剣サーブル『ナイトトゥルース』を与えます。」

「多くないですか?」

「反省の気持ちです。」

「ありがとうございます」

「それでは、転移の準備はできました、それでは、またすぐに会わないことを願います」

  そして俺は、チートすぎてつまらないのでは、と思案しながら、転移したのだった。






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転移したんだが、察するにどうやら世界は繰り返しているみたいで、それを理解してるのは世界でわずか数人、そいつらに俺は避けられたり、歓迎されたりする @ruiyodo

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