第19話次なる戦いの学校へ

浦安みつりん地帯で行われていた局地戦線は夢見ヶ丘学園の勝利で幕を閉じた

浦安支部の学校を制圧した生徒ハンター達は敵軍が東京戦線に向かっているとの情報を得た

「東京は僕達の本校と敵の本軍が現在戦争中だ」

大きな円形の帽子に一角のツノを生やしたこの大隊の隊長であるレインことユニコーンエロスが集まった幹部達の前で語る、既に戦線は新たな場所に移った事を

「敵は本軍に合流して本校と戦おうとしてるって事?」

無毛の頭スキンヘッドを撫でながら戦乙女ヴァルキリアが問いかける

「その可能性は高いとも、周りに展開して僕達を止める可能性もあるけどね」

おどけるように肩をすくめる、その様子は足止め等していないだろうと云う彼女の心情を表していた

「数的に不利な敵性生徒イレギュラーが部隊を分散して戦うのは悪手でしょうね」

性転換トラスセクシャル蜘蛛姫アラクネが彼女達の思いを代弁する、恐らくユニコーンエロスも同じ結論なのだろう、大きく頷いた

「今回の浦安みつりんでの戦いは相手に大戦力があったから起こせた、敗戦した残存生徒へいしでは足止めするより本軍に合流する方が合理的だね」

「ならば東京本校での戦いが決戦ですね?」

サキュバスエロスがそれに追従して答えた、只ユニコーンエロスは何か思う所があるようだ

(戦おうと思えばまだやり合える戦力は有った、浦安ここは奴等にとっての天王山のようなモノだ、それなのに戦力温存の為とは言えこうもあっさりと棄てるとは・・・)

エリナやハルオがそれを分からない筈がない、果たして戦力の温存だけが狙いだろうか?

「良いじゃない、局地戦とは言えわたし達が勝ったんだから」

「そうか、きっとそうだね」

戦乙女は純粋に楽しんでいるのだろう、この先にある戦いも計略も、その全てを楽しむつもりなのだろう

「この夏は例年の夏より騒々しい戦争日々が続くみたいだ」

新たな戦場に思いを馳せながら全軍転進の号令を下すのだった

「嗚呼、楽しみだ」

彼女レインも無意識に好戦的な笑みを浮かべていた

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夢見ヶ丘戦記外伝局地戦線 タカシ・セイヒ @takashiseihi

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