第六話
ガチャリ...
俺は丁寧にその扉を開ける。
その瞬間、美味しそうな匂いが漂ってきた。
どことなくだが懐かしい匂いに少し頬が緩む。
すると、奥からテクテクテクテク...と足音が聞こえて
「お帰りなさい、ハクさん」
とシオンが出迎えてくれた。
良いな。
こうやって迎えられるのはすごく嬉しい。
なんか安心感があるのだ。
感謝の気持ちを込めて
俺はできる限りの笑顔を浮かべる。
そして、シオンに言った。
「ただいま・・・・・」
そして、返ってきた言葉が
「あやや。何か悪い事でもありました?」
・・・俺は軽くショックを受ける。
笑顔だと思っていた行為が裏目に出てしまったのだ。
トホホ...としていると、空気を読んでくれたのか
「そんな事より『お風呂』と『ご飯』どっちが先がいいですか?」と悩ましい提案をしてきた。
俺は少し考え、疲れていたので『お風呂』を選択する。
「先にお風呂でいいか?」
するとシオンは首を軽く縦に振り、
「洗面所まで送ってきますね。」と送ってくれた。
この家に初めて来たので間取りが分からないのだ。
そんな中、1分もしない内に洗面所へ辿り着いた。
洗面所の扉を開けて口から出た初めての感想は、
「狭い...」
その一言だった。
畳とかそんな見た事ないから分からないが、
あって2畳ぐらいだろう。
Gランクだから仕方ない...のか?
本当に必要最低限の物しかない。
少し落胆しつつ、
俺は服を脱ぎ始めたのだった。。。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガラガラガラ...と扉を開ける。
すると、少し塩素の臭いがした。
洗剤の残り香なのだろう。
長い髪の毛をシャンプーで泡立ててお湯で流す。
そして体はタオルを用いて丁寧にボディソープで洗う。
俺は体を洗う時、肩から順に上から洗う。
そうする事で汚れを綺麗に落とすことが出来るのだ。
体全体をお湯で流し、
俺はシオンが沸かしてくれた湯船に浸かった。
気持ち良すぎる、、、、、
体に蓄積していた筈の疲れが取れていく。
これを『極楽浄土』と言うのだろう。
ちょっと狭いがそれもまたいい。
俺は水を少し手の平に乗せ、肩などに行き渡らせる。
その時、右手に『G』と刻まれた文字が目に入った。
この文字は、先天的にその体に刻まれている。
故に、ランクを判断する時は大体そこを見るのだ。
では、生まれた時『G』だったら今後も『G』のままなのかと言うと、そうではない。
成長すれば上のランクの文字が刻まれる。
寝て起きたら変わってる感じなので痛みは特に無い。
(ま、俺にとってはこんな物どうだっていいわ。)
そんな事考えてたら、気がつけばのぼせそうになっていた。
脱水症状に陥りそうになったので急いで風呂場から出る。
するとヒンヤリした空気が肌を伝った。
とても気持ちいい。
これは全国共通の感覚だと思う。
少しして、俺は体をバスタオルで拭いて着替えた。
お風呂が沸いていて、ご飯も出来ている。
こういう些細な幸せを噛み締めていきたい。
そんなキザな事を考えながらリビングへ向かうのだった。。。
実は最強な俺だがその身分を隠して実力主義の学園に!? わけわかめ @wake_wakame
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