第3話
「やっぱり今はAIが強いな」
サイト運営で金を稼ごうと決めた俺は今あるサービスを調べていた。とはいえすべてのサービスを調べる必要はない。プログラムのことについて調べるような専門的なサービスは無理だと思ったからだ。
じゃあ便利なサービスを調べるにはショート動画がいいと考えた。その中で目立つのがAIを使ったサービス。
AIは革命的な発明だ。だけどその大本は超大手が開発をしている。かならずロイヤリティーを支払わなくてはならない。
「ほかに気になったのは……これだな」
数学のプリントをスマホで撮影して解いてくれるアプリが目に付いた。どのような技術が使われているのかはわからないが、撮影した情報を数字として認識する機能はすごいと思った。
これはもしかしたら……。そう思ってからの行動は早かった。気になったらやってみる。昨日1日で俺のやる気はそんなことでは消えないことが分かった。
「……完成だ」
紆余曲折もあったがイメージ通りのサービスが完成した。まだまだ課題はあるが、とりあえず挨拶も兼ねて掲示板でそのことを報告する。
『スレ主だ。例のサイトが完成したぞ』
『速っ!?』
『おいおい、この速さは業者の釣りじゃねーのか?』
あ、失敗かもしれん。確かにプログラムに関しての素人が4日で有料サイトを開設するだなんておかしいと思われるだろう。
サイトをパクられないように特許も申請したし、法令関係も確認した。そのことを言ったらさらに疑われることだろう。
『それでどんなサービスにしたんだ?』
疑う人間はいるがそれでも一応話くらいは聞いてやろうという優しい人もいる。
『事務仕事を楽にするサービスだ。領収書とか手書きのメモを撮影すると数字を取り込んでくれて、それをエクセルの画面に貼りつけてくれるサービスだ』
『おー便利そうだ』
管理職営業職事務職その他の職種でもデータをエクセルでまとめることは多い。だからここを狙おうと思った。そして当然厳しく見る人間もいる。
『ちょっとそれだけだと便利まではいかないんじゃないか?』
『俺は前職でエクセルを使ってたんだけど、あらかじめ合計とか平均、グラフとかの縦枠横枠を用意してればいいのにと思ってな。サイトの中にそれを作った。あとはそれを貼りつけるだけ』
『『『おおおおおっ』』』
『確かにそれなら便利だ』
狙った以上の反応が返ってきた。
『便利そうなのはいいんだけどさ、もうちょっと便利にできない?』
『具体的には?』
『コピペってめんどくさいじゃん。だからドラックだけで貼りつけできるようにできないかなって』
『それは便利そうだな。やってみるわ』
『マジで!? 神サイトやん』
『じゃあオレはドラックで数字の入れ替えをやってほしい。もちろん数字の再入力もできるように』
『多分できる。やってみるわ』
言われてみればめんどくさい作業なことを思い出した。やはり意見を聞きながらの方がいいものはできるようだ。
修正をしてテストをする。印象としてはパソコンに慣れていない人でもかなり感覚的に入力ができるようになったと思う。
『みんなありがと。他にもいろいろと意見を書き込んでくれたけど、これ以上は使い方が難しくなるからサービスを開始してから少しずつ機能を追加してみようと思う』
最後の書き込みから今の間でスレッドはそこそこの盛り上がりを見せていた。ここで本命の質問を投下する。
『このサービス、月額使用料はいくらがいいと思う?』
この書き込みのあとコメントは大盛り上がりになった。安いものは1円だったが高いものは5000円。価格だけ見ると全く参考にならない。
『1000円くらいじゃないか? 有名な動画サイトのサブスクがそんなもんだし』
『経費で落ちるからもっと高くてもいい。需要的には3000円でもイケると思う』
『事務員が3人のところが1人に削れるからなぁ。うちなら5000円でも導入したい』
『とりあえず高めに設定しとけ。安過ぎたらサーバーがパンクするから』
思った以上に食いついてくれた。月額2500円上限1000人と告知をしたら2か月で上限を達成した。
あとがき
サービス開始すぐで月額250万円の売り上げ……
間違いなく大成功ですね。
反応が良くて気が向いたら続きを書きます。
ニートが『全力』を注入された結果 みそカツぱん @takumaro123
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます