第4話 作戦会議

 おばあちゃんは……今忙しそうだな。それじゃあおじいちゃんにまず聞くとしようかな。


「おじいちゃんおじいちゃん!」


 なんかもういっそ気持ち悪いくらいニヤけるじゃん。これ以上ないくらいニヤけてるよ。どうする?これ指摘するべきなのかなぁ……


『ん〜?あぁ結衣か、どうしたんだ?』


 どうしたんだ?じゃないよ!ニヤけすぎておじいちゃんの顔が気持ち悪いんだよ!でもさすがにストレートに言うのは可哀想だよなぁ。


「今信頼できる弁護士さんを探してるんだけど法律系のツテとかないかなぁ〜って。」


 気持ち悪っ!おじいちゃんに頼ろうと思ったら顔気持ち悪っ!マジかよ、まださっきのニヤけ顔の上があったのかよ。もう驚くしかないよ。人の顔ってこんなに気持ち悪くなれるんだ……


『なんだって弁護士なんて探してるんだ?誰か訴えたい人でもいるのか?ってそんなのいる訳な──』


 勘良すぎかよ……


「いや〜実はそうなんだよね。今ではないんだけど

いずれ訴えたい人が一人いてさぁ。私の義理の母親になりそうな人なんだけどね。」


『健二のやつもう彼女作ったのか!?』


 そうだよね、もうって思うよね。私も思ったもん。


「うん、ちょっと前に家に帰ったら彼女さんを家に連れ込んでてたんだよね。」


『マジかよ……それでその人を訴えたいって健二が悪い女に騙されてるとかか?さすがにドラマの観すぎか。』


 ドラマの観すぎだよ!この情報量でその可能性が思いつくのはドラマの観すぎだよ!でも残念ながら正解なんだよ!もうなんなんだ!


「いや、そのまさかだよ。お母さんを失ったタイミングで傷心してたから簡単に騙せたってそいつが誇らしげに私に話してたんだよ。あんな奴が私の周りにいるのはろくなことにならないだろうからいつか対処しないととは思ってるんだよね。」


 いつかは相対しないといけない相手。でも、今じゃない。あいつは結婚詐欺を企んでいるだけでまだ何も犯罪行為はしていないだろう。


 今はせいぜいあのバカに貢がせている程度のはずだ。あいつを潰すために本格的に動きだすのはいつになるかなぁ……

 

『結衣、その話について後で改めておばあちゃんも交えて詳しく聞かせてもらってもいいか?』


「ふふっ、もちろんだよ。」



――――――――――――――――――――――――――


『なるほど……健二がねぇ。あの子の心の傷に付け込まれたなら依存しちゃってる可能性もあるわね。』


『そうなるとあいつ一人で対処しきれないことをしでかす可能性もあるな。』


「そうは言っても今はまだ可能性の域を出ないんだよ。だから今はもしその事態になった時にどう動くかをシミュレーションするくらいしか出来ないんだよね。」


 そうなのだ。今からあーだこーだ言ったところで名誉毀損で訴えられ返されてしまう。そうなればあの金の亡者にむしり取られてしまうだろう。


 ではどうすればいいのか。簡単だ。その時が来るまで待てばいい。ただ待っているだけで私たちの勝機は勝手に転がり込んでくる。


 まぁ、撒き餌として使われる可哀想な父親が被害を被るかもしれないがその分はちゃんと裁判で慰謝料として巻き上げてやろう。


『現状証拠と言える証拠はないからな。強いて言えば本人の証言くらいか。それも本人が知らないと言えば有耶無耶になるだろうし。それに世間的に見ればそれを聞いたのか子どもだけというのも信憑性にかけるだろうな。』


 いや、ほんとそれはそう。私の年齢考えたらただの世迷いごとだよね。


『そんな言い方することないじゃない。』


 何言ってるのおばあちゃん!おじいちゃんのは正論だよ!?


『実際そうだろう。わし達が家族だから信じるが赤の他人が子どもが一人言ってることをどこまで信じるかという話だ。』


『それはそうだけど……』


 私のためなのは分かるけどその線で責めるのは無理筋かなぁ〜


「しょうがないよ、おばあちゃん。それはまだ子どもで私に社会的信用がないのが悪いんだから。」


『社会的信用なんて難しい言葉どこで覚えたの?』


 あ……やっばいどうしよう。強引だけどこれでいくしかない!


「ゆ、YourTubeで……」


 さすがに納得させるのは無理かなぁ。ていうか私の異常さに疑問持つの遅すぎない?今更過ぎるでしょ。


『最近の子はYourTubeでなんでも勉強出来るのねぇ〜』


 よっしゃー!何とかなったァァァ!チョr じゃなくて騙され易すぎて心配になるレベルなんだけど!これも今更なんだけども……


「そ、そうだね。アハハハハ」

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根性で転生した幸薄幼女は前世の知識と経験で配信者の頂を目指す 結城 優希@毎日投稿 @yuuki58837395

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