第14話 料理について①

 人生で初めて「料理」らしい料理を作ったのは「オムレツ」だったと記憶しています。小学校3年生頃だったかなあ。その前から時々お手伝いはしていたので、包丁は使えたのですが。一から全部自分で作ったのはこの時が初めてだったと思います。

 それは、ねぎだけを中に入れたもので、あんまりふんわりとしてなくて、塩こしょうをしすぎて、しょっぱくて……。とてもおいしいと思える代物ではなかったのですが、祖母も母も褒めてくれたのです。

 

 私はどうやら褒められて伸びるタイプのようです。


 母の持っていた料理の本をしょっちゅう読んでいました。時々、祖母と一緒におかずを作ったりもしていました。ちなみに、祖母と母は、食堂を一緒に営んでいたので、二人とも調理師免許を持っております。

 


『日々の思い。』の方でも書きましたが、小学校3年生だか4年生だかの時のキャンプで、私はカレーと親子丼を作りました。

 家に帰って、カレーを作ってみせると、家族皆、美味しいと言って食べます。そうすると母が一言。

「あー、これで緋雪は、カレーの係になったな」

 と言い放ち。

 そこから、すっかりカレー係にされてしまいました。6歳下の次男が、母のカレーの味を覚えてないのはこのせいです(笑)。


※『日々の思い。』「母の味。」

https://kakuyomu.jp/works/16816927861811054972/episodes/16817139554941719354


 料理も時々作っていましたが、この頃好きだったのは、やっぱりお菓子作り。

 

 そう、小学生と言えば、クッキーでしょう。5年生の調理実習で習いましたね、確か。型抜きクッキーと、アイスボックスクッキー。家で散々作りました。

 中学生になると、バレンタインデーに、ドロップクッキーにチョコを絡めたのを沢山作って、仲良しの友達だけに配ったり。

 クレープもよく作りましたね。クレープの真ん中にホイップクリームとカスタードクリームを置いて、缶詰のフルーツを置いて、それを全体的に包むんですよ。ラップで包むと持ち運びに便利なので、これは長らく私の定番おやつになりました。


 高校生になっても難しかったのは、スポンジケーキとシュー生地。スポンジケーキは、うまくふわふわになってくれないし、シューは、膨らんだな〜と思ってオーブンからだしたら、縮んだりして残念なことに……。

 今では、ちゃんと焼けますので、ご心配なく(笑)。


 一時期、自分の中で流行ったのは、チーズケーキ。レアチーズも、ベイクドチーズも作るし、美味しいのですが、私はとにかくチーズスフレが上手く作りたかったんですね。どんだけきめ細かく泡立てられるかが勝負なんですが、これが不思議なことに、ハンドミキサーではダメなんですよ。ひたすら手動で泡立てる。そして、できあがりは、もう、シュワシュワな感じ。「早く食べて〜!」って言ってるみたい。


 とにかく台所を本格的に任されるまでは、ご飯よりも、お菓子を作ってる時間のほうが長かったような気がします。(いや、ちゃんと料理も学んでおりましたよ、うん)



 台所を本格的に任されるようになったのは、19歳の時でした。


 祖母が胃がんで入院し、母が付き添っていなければならないので、私が料理をやるしか仕方なくなって。大学に行っていたので、1日3食は難しく、2食だけだったかなあ。朝はパン食でした。


 母は、私のために、レシピと材料がセットで届くシステムを導入します。この日はAセット、この日はBセット。それを1週間分ごとに選んで注文します。例えば鶏肉のトマト煮込みとかだったら、鶏肉とトマトと玉葱や人参が入ってくる。付け合せの野菜と共に。お陰でトマトの湯剥きなんかも覚えました。


 最初の半年くらいは、そのレシピに忠実に作っていた私でしたが、作れるようになると飽きてきてしまって。その材料で作れる別の物を作ってしまうようになり、それで、溜まりに溜まったレシピ集を殆ど捨てました。

 その半年間で、大体の基本は学びましたね。そこからは、冷蔵庫にある材料で、適当に作れるようになりました。



 さて、うちの実家の食卓事情ですが。


 父が毎日、晩酌をする人だったのです。なので、主に父が食べる用に、2〜3品必要になります。そして、ご飯も食べるので、そのおかずも3品くらい。

 夕飯時は、テーブルに乗り切らないほどのおかずが並んでないと文句を言われる家庭でした。大体夕飯には5〜6品のおかずが並んでないと、父が怒る。そして、タンパク質のおかずがないと、また怒る。ちなみに、彼の中では、豆腐はタンパク質には入ってなかったようでした。肉か魚。

 それでも毎日作っていたのだから、よくやってたよなあ、自分。と思います。



 で、料理が得意になってくると、味を盗めるようになります(笑)。ある店のある料理が凄く美味しい! と思うと、それをどうすれば再現できるか、しっかり味わい、わからなかったら通い詰めて(おいおい)、自分でも作れるようになりました。


 さて、どんな料理を盗んできたでしょうか?

 ②に続きます。


※近況ノートに写真があります。

https://kakuyomu.jp/users/hiyuki0714/news/16818093079489324232

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