第78話 後日の談

「ねぇ、リファル……本当に大丈夫? どこか苦しくない?」


 俺は現在、レリアの結界の中で過ごしている。隔離って言葉が似合う現状ではあるが。

 何故こうなったのかと言うと、それは獣医から出された診断結果のせいだった。


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「……レリア王女様。コレは私でも解りかねます。一体何があったのですか?」

「いえ、リファルに何かあったのは分かってるのですけど……肝心の内容が分からないんです。だから獣医である貴方を呼んだんですよ」

「そうは言われましても……こんなの、見たことありませんよ」

「そう、ですか……それで? いったいリファルの身に何が起こってるんですか?」


「えぇっと、その……説明が難しいのですが、魔力が増大しておりまして。

 それと、何やら魔石が元々のリファル様の魔石とは少し違った様な感じに変わってまして。私にも何が何やら……もはやリファル様の皮を被った別の生物と言われた方が納得——」


「それ以上の発言をしたら感電死させますよ」

「……配慮に欠けてました。申し訳ございません」


 とまぁ、こんな診断結果を出され、そして処理としては「安全な所で経過観察を見てみる」だった。


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 その安全な場所がレリアの結界の中というわけで、今はレリアの結界の中で過ごしてるわけだ。


 まぁ、増大した魔力がいつ暴走して被害が出るか分からないから、と言う点からも被害を抑える為に結界の中で過ごしてるわけなのだが。


「うぅ、リファルに触れたいのに……いやでも、それも今日一日の我慢で終わるんだよねっ! 我慢我慢……」


 獣医の診断を得てから早くも1週間が経とうとしている。

 経過観察の期間は1週間。この期間を超えれば俺は晴れて自由の身となる。

 まぁ、私的には経過観察の必要は全くないとは思うが。


 体内の魔力が増大したのはなんとなく分かる。明らかに魔法の出力も上がったし、魔力が減る感覚もあまり感じなくなった。

 ……獣医の診察結果に『魔石が違った物に変わった感じ』と言うのがあったから、多分そのせいだと思う。


 こんな感じで魔力の増大を感じれてはいるが、驚く程に魔力は制御出来てる。

 暴走する魔道具みたいに魔力が膨れ上がる事もなければ、事切れた魔道具みたく魔力が流れてないわけではない。

 使おうと思えばいくらでも使えるし、暴走の危険性なんて一切感じないのだ。


「んぅーー……はぁ。ごめんね、リファル。一旦構えなくなるけど……ちょっと待っててね?」


 レリアが俺に構うのをやめて、身につけていた魔道具を一旦全て取り外す。

 あの事件以来、レリアは常に魔道具を装備する様になり、お昼頃ぐらいになると一旦全ての魔道具をメンテナンスする様になった。


 勿論、メンテナンスする時は俺ごと結界で囲んで身の安全を確保している。


 レリアが投擲物だと思われる魔道具を弄っている間、俺は結界内から外を眺める。

 ……もう、一週間も経ったのか。


 あの誘拐事件の被害者達が転移によって返されてから、学園は一旦休校となった。

 ダンジョンでのレリアとレーナ皇女を狙った犯行に続き、今回はかなりの数の生徒と召喚獣を狙った事件が起きたのだ。


 学園内や、教員。そして貴族達に審査をかける時間が必要という事で学園が休校となった。

 それに、繋がりが切れた召喚獣と生徒や、実行犯や橋渡しをした人物などまだまだ処置が必要だったり、解明しないといけない謎などが多く、先生達は大忙しな様だ。


 そして、現在この学園都市は静けさで支配されている。

 何も、人っ子一人も居ないわけじゃない。ただ、歩いてる人が圧倒的に少ない。


 先生達が色々な事への究明にあたってる間、警備する事も出来ない為、休校中の外出は自己責任という事になっている。

 もし今外に出て誘拐されても、学園側はどうしようも出来ないって事だ。


 事件も起きた事で怯えた生徒達は皆、寮や宿に引きこもってる訳だ。


 ちなみに、この休校期間はかなり長くなるらしく、この機会に帰省する人も居るらしい。レリアと俺も経過観察の期間が過ぎれば一旦王城へと帰ろうかと話してた所だ。


 話を聞いている限りだと、どうやらレリアの兄——つまりプリモディア王国の王太子である【リオ・プリモディア】が帰ってきてるらしい。


 リオ兄さんはとにかく多忙で、尚且つ各地を飛び回ってる事もあって会える機会が滅茶苦茶少ない。だからこそ会えるならば会おうと言うことで帰省の計画を立てていると言うことだ。


 ついでに言うとリオ兄さんはとんでもなく強い。

 一騎当千と言う言葉が霞む程に強い。アレは多分天災の域だと思う……

 対抗できるのは多分帝国の皇帝とか、だろうか? 一度かなり遠目でリオ兄さんが戦うのを見たけど本当に凄かった。

 普段は家族想いな良きお兄さんなんだけどね……レリアが誘拐された時に1番荒れてた人でもある。


 ……まぁ、そんなリオ兄さんでさえあの創ちゃんとかリアさんには勝てるとは思わないが。

 うん、あの二人はまさに次元が違う。同じ生物だと思いたくない。


「よしっ! 魔道具の整備終わりっと! それじゃあリファル、帰省の準備でもしよっか!

 リオ兄様と会うの久しぶりだなぁ。また目にクマでも作ってるのかな……」


 ……リオ兄さん、ほんと忙しいからなぁ。いつか過労死しないか心配なまである。


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 やぁ、読者諸君。ここまでの読書お疲れ様とでも言っておこうか。


 さて、冰鴉が言うにはどうやら此処で一旦姫竜世界は区切りらしいね。

 此処からまた王国に戻って色々する訳だが……まぁ、それはまた次の話と言うことかな。ちなみにいつ更新再開するかは分からないらしい……


 あぁ、この世界を捨てると言うわけでは無いらしいから安心してくれたまえよ。次の更新を首を長くして待ってくれたまえ。


 ん? リア・エルシオンはどうしたって?

 ……この世界には関係ないことだから何も言わないでおこうか。

 ただ、別世界の星が一つ消滅してしまったが……まぁ、些細なことだし気にしても仕方がないだろう?


 さて、とにかくこの世界の更新が止まる事を覚えてくれると助かるね。どうやら冰鴉は世界の再構築だったり、別の世界にお熱らしくてね……もしかしたら君達読者もその世界を覗けるかもしれないね。


 おっと、もうそろそろあとがきも終わりにしないとかな? それでは、また会おうじゃないか、読者諸君。


 次会う時は別世界か……それともこの姫竜世界か。とにかく、今後もよろしく頼むよ? 我が読者達よ。

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転生先はどうやら姫様のペット(召喚獣)の竜らしい 冰鴉/ヒョウカ @kan_a_alto

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