第8話 万引きの悩み 後編
僕らは、早速張り込むことにした。残念ながら金浜さんには囮になってもらう必要がある、終始嫌そうだった。僕らは心が痛むけど晴日さんと一緒に彼女を説得した。
「嫌なのは分かってる。だけどこの囮は君が困ってるこの悩みを解決するために必要なことなんだ。頼む。金浜さんに危ないことが起きたら、すぐ駆けつけて守ってやるから」と、かなり恥ずかしいギザセリフを吐いて、頭を下げてまでお願いをした。
僕は金浜さんは、とても押しの弱い性格であることを知っている。しかし今回は頭を下げてもなかなか首を縦に振ることもなく拒み続けていた。僕も分かるのだ。確かに囮はとても嫌である。ただそんな彼女に無慈悲な声が聞こえてくる。
「おーい。金浜さん。これからレジ忙しくなるから、レジに入ってくれ。後すっと休んでないで皆を手伝ってくれ。」そう、店長の声だ。(なんだよ金浜さん。このあと結局シフトあるのかよ。)とツッコミかけた。しかし、本当に金浜さんは嫌そうである。それはそうだと思った。ストーカーされているわけであるから、襲われる可能性だってある。そこで晴日さんに促されて、ある提案をした。
「だったらさ、僕が隣に立って、金浜さんのボディーガードと手伝いをしよう。店長、この一瞬だけですけど、この店の制服を借りてレジ打ち手伝ってもいいですか。恐らくですが、金浜さんは今怖がっているんです。このままだと埒あかないです。ですので宜しいでしょうか。忙しいところ申し訳ありませんがお願いします。」
店長はとても渋い顔をした。十分くらい悩んだあと、金浜さんを見て、誰かが手伝ってもらわなきゃ無理だ。と判断したのか、渋々とではあるけど許可してくれた。だけど、店長がストップを出して、
「ちょっと待ってね。今ね、上の方に電話をしてみるから。いくら、解決してくれるからって高校生だからね。そうだ。このことは親御さんには話しているのかね。もししていないのであれば、今から私が電話をしてあげよう。」
「いえあのそれはやめて欲しいです。そんなことを知ったら、また親が泣いてしまって、晴日さんの手伝いができなくなってしまいます。これ以上親を泣かせたくないんです。」
店長さんはとても困ってしまっていた。上の人と通話して、僕のことを相談してくれていた。とても時間がかかっている。
店長が通話を終えると
「雨夜君。結果を言うと上の方から許可がでた。当たり前ではあるけど、給料は出ないけどそれでもいいね?」
僕は、それでもいいです。といい、この問題を解決した。
思ったよりも説得や張り込みに時間が掛かってしまったけど、僕は今ローソンの制服に着替えて、レジに金浜さんの隣に立っている。まだ金浜さんは不安がった表情をしている。ちなみに晴日さんと店長さんは、お店の控え室にいてもらい、晴日さんが、何故か持っていたトランシーバーらしきものをもらって通話している。金浜さんも貰っていて、今晴日さんと何を話しているかは分からないけど、楽しそうに喋っていた。心なしか、彼女の表情も明るくなっていた。もしかしたら晴日さんはこれが作戦なのではないかと思った。
またなぜ、僕がここに立っているかと言うともちろん、さっき言った理由もそうだけど彼氏のフリをするという晴日さんの作戦だ。しっかりと彼氏さんに許可もとり、金浜さんにも確認したところ、どうやら犯人は金浜さんには彼氏がいるということは知らない。と言っていたのでこの作戦は通じるだろうと分かった。ということだ。
僕は、金浜さんに教えてもらいながら、アルバイト店員に紛れ込んでいた。
「えっと…コカコーラと、ローソン限定牛丼です。合計で630円です。えと、1000円お預かりで、370円のお返しです。」(笑顔)
「おお!いい感じじゃん!!様になってるよ!!かっこいい。」と、見事に彼女の演技ができている。周りのお客さんも温かい目で見てくれていた。もしかして金浜さんは、彼氏にはこんな感じなのかと思ってしまった。後から店長から聞いた話では、カップルの演技中の晴日さんはすごい羨ましい顔をしていたらしい。
どうやら僕は接客が上手いらしい。金浜さんだけではなく、同じくレジにいた先輩にも褒められた。僕は金浜さんとこんな感じで上手く過ごして30分が経った頃、小太りでマスクとサングラスをつけた黒いジャージを身につけたおじさんが店内に入ってきた。すると金浜さんの様子が変わった。どうしたのかと金浜さんの方を向くと、彼女は小さく震えた声で
「あ‥あの人がそう。こ、怖い。」
なるほどあいつか。犯人がきたと分かった僕は、晴日さんに連絡をとった。彼女からの返事は、
「まずは、その人の行動を観察をしてください。もしかしたら、金浜さんに彼氏がいると分かってショックで雨夜君に襲いかかるかもしれないので気をつけてください」
「うん。分かった気をつけるよ。そのまま、犯人を見張り続ければいいんだね。」
僕は、彼女からの警告を受けて、注意深く見てると、晴日さんの言う通り犯人の男が、こちらの方、つまり金浜さんの方を見た。その時に、恐らく素であると思うけど、僕の方に顔を埋めるような感じでこちらによってきた。すると、晴日さんが予想した、最悪な近づき方をしてしまった。やはり、気が動転していたのか、
「俺の金浜ちゃんをかえせーーーー!」
と、意味不明で気持ち悪すぎることを叫んで僕に殴りかかってきた。僕は、とっさに金浜さんの前に立ち、僕の顔面の前間一髪のところでとめた。
この後は、暴れる犯人をなんとか押さえ、控え室に強制的に引きずりこんだ。ここからは、取り調べが始まった。
驚くべきことに犯人の動機や今まで金浜さんにやっていたことが、あまりにもひどすぎた。まず、動機は街中で可愛い女の子を見つけた。やっていたことは、まず2ヶ月前に遡る。バイトが終わったところを狙って後ろを着いていきまず、住所を特定した。そこから2週間バイト帰りの日は家までストーカーをしていた。盗撮もしていたそうで、自宅に印刷をした写真を何枚も自室に貼っているらしい。それだけでは止まらず、金浜さんの自宅に手紙を沢山送りつけていたらしい。内容は、脅しや付き合ってくださいのようなことを送っていたらしい。このことは金浜さんは知らなかったらしくとても青ざめていた。おそらくだが、母親が娘が見る前に処分でもしていたのであろう。そして、ストーカー行為がエスカレートして、この様な事態になったらしい。また、金浜さんがストーカー行為に気づいたのは、とても最近のことだったらしい。晴日さんは虫を見るような目で見ていた。
店長が警察に連絡をしてくれたらしく、取り調べから30分後、警察が到着をし、無事犯人が逮捕された。
「午後10:30逮捕。」
警察が来て、こちらに来た時、晴日さんを見た時、またこいつか、またいるよ。とゆう目で見ていて、晴日さんも目を逸らしていたから、僕の中でとても違和感のあったこともあった。
事件後 ※三人称視点
逮捕された後、すぐさまニュースに報道された。報道内容は、
「本日未明ストーカー行為をしていた、40代男性がバイトをしていた高校生男子に暴力行為をしようとしたとして警察に逮捕されました。男子高校生はストーカー行為の被害にあっていた女子高生の彼氏で、「とても許せないです。」と怒りをあたわしていたそうです。犯人は、悪士気太史(あくしきたいし)(46)男性で、とても激昂したと容疑を認めているとのことです。」
悪士気は逮捕されてからは、取り調べを受け全てを話し約1ヵ月で起訴をされその2週間後裁判が始まった。裁判は、世間からの注目を集めていただけあり、沢山のマスコミや見に来ていた人がいたらしい。判決は裁判が始まってから被疑者が全て認めていたことやぐだぐだになることもなく約1時間ででた。結果は、執行猶予付きの一年6月だった。
金浜は、バイトをすぐやめ、学校もしばらく休んでいた。ただ、彼氏や彼女の周りが協力してくれた事もありすぐに復活ができた。しかし、彼女は40代の男性と二人きりの状態になってしまうと、パニックになってしまうptsdになり現在は治療中だとゆうことだ。
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投稿遅れてしまい本当にすみません🙇1か月もサボってしまいました。お詫びにボリュームたっぷりです。♡とフォローよろしくお願いします
同級生の茶髪名探偵美少女と付き合うまでの話 鯉だねぇ @gjmwtp113
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