最終話

 次の日から彼は学校へ来た。俺には何も聞かず、俺も何も聞かなかった。夏休みまで後少しだ。

 放課後、駅で電車を待つ彼女が見えた。


「テストどうだった?」


いきなり話しかけられて驚いた様子だったがすぐに


「マジでヤバイ」

 

 そういって答えてくれた。駅まで一緒に向かう。人がだんだんとまばらになっていく。深呼吸をして思い切って聞いてみた。


「この辺で夏祭りあるの知ってる?」

「この間も聞いたよそれ」


彼女が笑って答える


「えっ?この話初めてじゃなかったっけ?」

「嘘だー。一緒に行くんでしょ」


 思っていたのと違う。もしかして未来予知で練習したのが、彼女の記憶にも反映されているのだろうか。そういえばあの時も同じようなことを言われたな。ということはこのままでいいのか。いや


「そうだったね。ごめん、ごめん。でも改めて言わせて、よかったら俺と一緒に夏祭り行ってください」

「もー、しつこいよ、あんまりしつこいと行かないよ」


そういって彼女は笑う


「ごめんって」


お互い笑いあって夏のさわやかな道をまた一緒に歩き始めた。

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早口超能力 @matuboxl

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