第2話 チェンジモード
ブンッ・・・。
微かな音と共に彼女の肩がビクッと震えた。
見上げる瞳が潤みがちに光って。
やはり、僕の大好きな表情になっていた。
「今日の夕飯、何が食べたい・・・?」
自然な微笑みに僕は熱い気持ちが込み上げて。
「野菜炒めが、いいな・・・」
何度も繰り返した答えを彼女に返した。
そう。
僕の大好きだった妻の面影に向かって。
妻が亡くなってから。
数年が経過して。
AIロボットでそっくりな。
いや、それ以上に若くて素敵な伴侶を得たけれど。
やはり。
僕は。
寿命が尽きる前の。
リアルな妻の姿に。
戻すのです。
アイコンをクリックすると。
顔の皮膚も全てが変わり、10代の彼女が死ぬ前の妻の70代の皺を見せました。
僕は皺だらけの妻を満足そうに見つめながら。
もう一度、囁いたのでした。
「野菜炒めが、いいな・・・」
結局は 進藤 進 @0035toto
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます