二度あることは

勝利だギューちゃん

第1話

「偶然だね」


ゴールデンウィーク。

今年は遠出をする人が増えている。

新幹線も、全席指定になっている。


僕も久しぶりに、旅に出ることにした。

特急は高い。

でも、ロングシートは窮屈。


なので、在来線のクロスシート車を乗り継ぐことにした。


だが・・・

混んでる。


しばらくすすむと、ひとつ席が空いていた。

窓際に座っている女性に声をかける。


「あのう、となりよろしいですか?」

「あっ、どうぞ」

「すみません」


座らせてもらう。


「混んでますね」

「みなさん、待ってたんですね・・・えっ?」


見覚えのある顔にきょとんとする。

向こうも同じようだ。


「もしかして、佐藤くん?」

「そいういうあなたは、鈴木さん?」

「そう。久びりだね。卒業以来?」

「だね」


窓際に座っていた女性は、高校時代の同級生の女の子だった。

当時は会話はあまりなかったが、偶然の再会に話が弾む。


彼女も、風の向くまま気の向くままの旅をしているようだ。

考える事は同じだ。


「じゃあ、私はここで降りるから」

「僕はもう少し先まで行ってみるよ」

「うん。またね佐藤くん」

「またね鈴木さん」


またね。

おそらくそれはない。

だが、こういう再会もいいものだ。


彼女が降りると、僕はそこへ移動する。


「そろそろ海が見えるかな」

そう思っていると、声をかけられる。


「あのう、隣空いてますか」

「どうぞ」

「すみません」


隣には、ひとりの女性が座る。

あれ?


「あのう、違っていたらすみません」

女性に声を掛けらる。


「もしかして、佐藤くんですか?西高校だった」

「そういうあなたは、もしかして高橋さん?」

「そう。久しぶりだね」


彼女も、高校時代の同級生だった高橋さん。

さっきまで座っていた鈴木さんとも同級生。


「佐藤くんも、旅行?」

「うん。風の向くまま気の向くまま」

「私も」

ものすごい偶然だ。


ていうか、何年ぶりだろう?

指折り数えても足りないな。


しばらく話が弾んでいたが、ここらで降りてみるか。

鈴木さんの事は伏せておこう。


「じゃあ、僕ここだから」

「うん。私はもう少し先まで行ってみるわ」

「またな」

「うん」


偶然再会した、佐藤くんと私は別れた。

当時は、目立つ子が好きだったが、今なら彼の良さもわかる。


さっきまで、彼がいた席に私は移動した。


「あのう、隣いいですか?」

「どうぞ」

「すみません。」

男性が腰を降ろしてくる。


すると私のほうをちらちらと見る。

でも、その理由はわかった。


「あのう、街がっいたらごめんなさい。もしかして高橋さん?西高校だった」

「あなたは、山田くん」

隣に座ったのは、高校時代のクラスメイトだった山田くん。


さっきの佐藤くんとも同級生だ。


「久しぶり」

「うん、偶然だね」

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二度あることは 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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