まさか、君は,,,,,,

atti

第1話 未来世界のとある一日

 「今日も一日何にもない平和な日だったな」


そう思っているのは、この世界でプログラムとして生きている「221A」。正確な名前はなく、みんなから「ケー君」と呼ばれている。彼がこの学園に来た時、「221K」と間違えて名乗ったせいで221Kの221を抜いて「ケー君」となった。彼は元々過去の世界で生きていた人間であるが、部活帰りに交通事故に巻き込まれてしまった。そして、気づいたらこの未来世界にいたということだ。


この未来世界では人間と意識を持った、「プログラム」が一緒に暮らしている。もうこんな未来世界ではプログラムはもう生物、生き物の一部。もしかすると人間と一緒かもしれない。また、表面上プログラムと人間は区別することが困難である。あまりにも似ている。ケー君はあまり自分がプログラムであることをみんなに見せたくないせいか、人間の行動をずっとしている。


「ケー君、もう今日ここまででいいんじゃない?」


そうケー君に聞いているのは、同級生の吉田純一、普通の人間。ケー君からはジュンと呼ばれている。彼は、ケー君がこの学園に来てから最初にできた友達である。最初、一人で過ごしていたケー君を電子書籍館に連れて友達としての関わりができたのが始まり。彼らは、学園で彼ら二人だけの部活を行っている。何でも屋みたいなことを部活でやっているが、あまりこの部活の事は学園に広まっていないらしく、彼らは別にもう一つ部活に入っている。この学園では、文化部一つ、運動部一つ入れる。つまり、一人二つの部活に入れるということだ。まあそのことは置いといて、今は、五時四十五分。もうそろそろしたら、校舎のドアが閉まる。閉まった十五分後までにみんなは学校の寮につかないといけない。


「じゃあ、片付け始めるぞ」


ケー君はそうジュンに伝えて、パソコンを電源切ってしまったり、活動ノートを閉じたりする。ケー君はあまり物を持ち歩いたりはしない。これは彼のプログラムの特性で、物をしまいたいと思いながら、物を上に投げると面白いことに物が消える。まあ、実際には物がデータ化してケー君の中に取り込まれる。出したいときは、どのデータを出したいかを選んで出す。この特性をある時知ったケー君はいろんな物を取り込みすぎて、体に保存できるデータをマックスまで溜めて、自分自身が破滅したことがある。その時、彼は気分が悪くなり二、三日学園を休むことになった黒歴史が一度ある。


逆に純一は、魔法使いみたいにほうきがあるとき、空を飛ぶことが出来る。しかし、これを活かすところがあまり無く、ジュンはほかにも特性があるのではないかといろいろ自分自身のことを調べている。


そんなうちにも二人はかたずけが終わり、寮へ帰宅する。寮はそんな遠くにはない。徒歩十分ぐらい。


帰り道にジュンがこの学園の七不思議を教えてくれた。その中に僕が気になる七不思議が一つあった。それは、この学園に少女の姿をしたウイルスがいるらしい。詳しくは分からないが、その彼女に必要とされるプログラムが学園に現れると、どんな手荒な手段を使おうが、そのプログラムを乗っ取りに来るらしい。まあ、七不思議だから嘘だろうと言いながらも少し怖かった。僕は幼い頃から怖がりで怖いものがどうしても苦手なんだ。


寮に帰ってきた僕たちは、玄関で別れた。僕は今日あまり食欲がなく、寮にある無人コンビニ店でおにぎり一個でいいやと思ったが、「百二十円電気おにぎり」しか売ってなかった。


未来世界はプログラムと人間は実は別の食べ物を食べる。人間は普通に食べ物を食べるが、プログラムは電気がくっついた食べ物を食べる。もちろんたまに、普通の食べ物も食べれるプログラムはいる。しかし、ケー君みたいに普通の食べ物しか食べられないプログラムは今のところケー君しかいないと思う。実は、ケー君は電気食べ物を一度食べたせいで体に過電流が流れて、保健室行きになったことが三回。一応これは黒歴史で、ほかの人がケー君に聞こうとすると恥ずかしさのあまり、必ず暴走する。


仕方なく他のものを買おうとするとき、


「あれれ、ケー君じゃないですか?」


「ヤッホー、ケー」


「あ、こんにちは」


彼らは、濱野博人とアクア。どうしてもアクアの名字が思い出せない。彼らは人間とプログラム。恋人同士だ。最近人間とプログラムのカップルをよく見かける。これを見かけたとき、こんな未来でも恋愛があるんだなと思った。これを知る前は未来では恋いというものは存在しないと思っていた。こんな未来でもプログラムの心を解いている人間はすごいなと思う。


「そういえばいつまでその頬にのばんそうこうをつけているの?」


「あ、これは、、、、、、」


この頬につけているばんそうこうには意味がある。実はケー君がこの未来世界に来た時に、とある科学者に聞いてはいけないものを聞いてしまったらしく。頬を銃の弾がかすった。その時は大丈夫だったが、見た目上何かがあった感じになっちゃうからばんそうこうを貼っているのだ。そのあと聞いた話だが、プログラムは一日経ったら自然に傷が消えるらしいがここの傷はどうしても治らないのだ。貼りっぱなしにしているが、三日ぐらいしたらばんそうこうを変えないといけない。その時は誰にも見られないところでやる。ここのところは実はジュンに一度見られそうになったが、走って逃げたため何とかなった。このことは誰にも言ってない。


「まあ、何でもないかな?」


「あら、そう」


そういやな感じにアクアが答えた。そのまま彼らはそのまま買い物して部屋に戻っていった。僕は、買える食べ物がなく、食べないことにしいた。コンビニに食料が自動に入ってくる時間は夜中の零時と正午。このまま夜中まで待とうかなと思ったがあきらめて僕は自分の部屋に戻った。


僕の部屋なそんなに大きくはない。ベットと勉強机が置いているだけのシンプルな部屋だ。戻ってきた直後に内線が来た。これは、浅野陽斗からだ。彼は、僕の別の部活、つまり卓球部の部員だ。


「はい、もしもし。221Kです。ただいま留守にしております。御用のある方は後でもう一度かけ直してください」


「ケー君、冗談はよしてよ」


あきれながら陽斗が言ってきた。


「はい、すみません」


「もう電話チップに切り替えたら?そうしたほうが連絡簡単に出来るよ」


電話チップとは、体にsimカードを入れてテレパシーのように電話ができるサービスである。プログラムのほとんどはこのサービスを使用している。一方、転生してプログラムになったケー君はスマートフォンを使っている。彼の生きていた時代はみんな、スマートフォンでSNSをやっている。そして、基本的にはスマートフォンを部屋に置いとかないといけない。そういうルールを担任の先生、栗城先生に言われた。どうしても連絡は寮に戻らないと聞くことが出来ない。もともと、ケー君も電話チップに切り替える予定だったが、彼にはどうしても接続ができなかったらしい。


「まあ、いいや。来週の土曜日、入れ替え戦だから」


プープープー


勝手に切られてしまった。この未来世界ではほんの少し前知ったが、電話代が数年前にタダになったらしい。まあ、そんな感じで元々生きていた時代と違いが多すぎて追いつくのが大変。未来世界の服装も僕が生きていた時、好きだったフライトジャケットを着ていたら、アクアに「古すぎ」と言われてしまった。そんなことを思い出しながら僕は寝る準備を始めた。その日は体育でものすごく走ったため、ベットに入った瞬間、寝てしまった。




「ここどこなんだろう?」


あたりが白黒になっている。いや、昔のゲーム機の画面みたいになっている。よく見ると前に知らない少女が立っていた。


「221A、そこにいましたか。あなた(プログラム)を乗っ取らせてもらいますよ」




「うぁ⁉」


今の何だったんだ?気づいたら、朝になっていた。


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