第30話

「兵士がいる

捕まったらマズいな」


 そーっと、見下ろす。


「どうしますかマスター ??」


 小声で、聞いてくるマリン。


「ハマオニールと同じ手を使おう」


「と言いますと ??」


 首を、かしげるカリス。


「やーい

こっちこっち !!」


 上の穴から、顔を出して挑発する。


「おっあれは

マスターサーベルティガー」


 兵士が気がついて指を差す。


「おい ダンジョン内へ突入だ

いそげ !!」


 家臣の男が、指示する。


「はッ」


 兵士たちが、突入して来る。


「あーあかわいそう

あいつらレベル1からだね」


 おそらく、あのモンスターに捕まると言うカリス。


「そうだな

急いでここを飛び降りよう」


 下を、指差す。


「いやー

ちょっと高いよ」


 マリンが、怖がる。

 たしかに、落下ダメージはありそう。


「横に突起があってつたえば降りれそうね」


 サフィスが、壁を確認する。


「あヤベ

あ゛ーー」


 ゆっくりと、横に移動して下に降りようとしたら、ズルズルと滑って落ちる。


「大丈夫ですかマスター

あっ」


 つられるように、みんな滑り落ちる。


「う゛ッ

う゛っう゛っう゛っ」


 倒れたオレに、積み重なっていく。


「あれマスターは ??」


 カリスが、まわりを見回す。


「下っ

みんなの下だー」


 ジタバタする。


「おそらくハマオニールもこうやって降りたのだろう

しかし行き先がわからん」


 肩の、ホコリをはらう。


「わたし心当たりがあります」


 ホワイトローリエが、そう言う。


「ホワイトローリエ姫

本当ですか」


 どういうことかな。


「えぇ

行きましょう」


 スーッと、進むホワイトローリエ。


「ここですか」


 ラストダンジョン近くの、農場につくパーティメンバー。


「ええ

あっラマンドお兄さま」


 一人の、農夫を呼ぶホワイトローリエ。


「コラバカ

私の名前はマイクだホワイトローリエ !!」


 なんだ一体。

 この人が、なぜホワイトローリエ姫と兄妹なんだ?


「えっ

ただの農夫ではないのですか」


 一応、聞いてみる。


「ただの農夫ですマスター」


 そう、答える農夫。


「いえこの方は兄のラマンド王子なのです」


 なんだ、どういうことだ?


「マジですか? なんで農夫をやっているのですか ??」


跡継あとつぎとしてやっていくのがイヤになりまして農夫になって身を潜めていました」


 どうやら、王位をつぎたくないからみたいだね。

 酒場で出会った男というのは、この農夫のことみたい。


「そうでしたか」


 まぁ、いろいろあったんだな。


「あの子

ここにいるんでしょ」


「うん

夜中じゅう追われていたと言って寝ている」


「ハマオニールがここに?」


 建物の中に入る。

 たしかに、寝室にハマオニールが寝ている。


「彼女と結婚する

そして王位もつぐよ」


 決意を、クチにするラマンド王子。


「ム………」


 おいおい、結婚したら連れ戻せないじゃん。

 でも、引き離すようなマネはしたくないし。


「オーケーしてくれマスター」


 真っ直ぐオレを見るラマンド王子。


「仕方ない

外の連中にはダンジョンで出会った王子と結婚したと言って納得してもらおう」


 あーぁ。

 これで、ダンジョンツアーも終わりか。


「ありがとうマスター」


 感謝するラマンド王子。


「それではお幸せになラマンド王子」


 にこやかに、手を振り別れる。


「はい」


 背中に、大きな声が飛んで来る。


「イイなー

わたくしも マスターと添い遂げたいわ」


 サフィスが、うっとりした顔を見せる。


「わたしもね」


 マリンも、目を輝かせてオレを見る。


「ウフフ」


「アハハ」


数日後


「なんだよこの大行列は!?」


 大量の、お客さんが群がっている。


「王子さまと結婚できると勘違いしたお客さんが3倍集まりました」


 すごい長蛇の列だ。

 マリンも、整理が追い付かない。


「なんでそうなる」


おわり

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異世界に行ったら イイね女神の キミだったらやれるの一言で ダンジョンの攻略を しこたま頑張ってパーティーを楽しく導いていくからね(ハチミツとマスター) なばば☆ @bananabanana1E

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