第16話 最終話

圭と美緒はお互いの腕の中で死んだ...



暴念「くそっ! 何でこんな事に...」




それから生き残った4人(三滝、長宮、暴念、光莉) は警察の助けが来るまで各々部屋で待機する事にした。




~三滝の部屋~



コンコン......



三滝の部屋の扉をノックしたのは光莉だった。



光莉「なんで圭に南一郎は生きてるって事伝えなかったの? 伝えてれば復讐なんて止めたかも知れないのに」


三滝「結局は圭も美緒もクズだ。なら俺が殺すよりお互いに殺しあって貰った方が良いと思ってな」


光莉「なるほどね...長宮や暴念、そして私の事は殺さなくていいの?」


三滝「殺したいが3人とも貴重な証言者だ。殺してしまっては3人どころかここで起きた事件全てが俺に容疑がかかるだろう」


光莉「フフッ、きっと貴方は南一郎に気に入られるわ。またどこかの殺人屋敷に招待されるかもね」


三滝「その前に、俺が南一郎を殺してやる」


光莉「それは私が南一郎と結婚してからにしてくれる? その後殺してくれるなら報酬として遺産の20%をあげるわ」


三滝「契約成立だな...」



そして1日後、警察が到着し長い事情聴取が終わると皆それぞれの日常へと解放される。





光莉「これが旅館で起きた全てよ」


南一郎「面白い結末だ。早速後編を書き始めようか」




1年後、南一郎最新作 "殺人計画書" が発売され過去一番の大ヒット作となる。その印税は億を越えるとの噂も...






光莉「うわ~! すっごい高い!」



南一郎「今日は結婚記念日だからな。最上階のスイートルームだよ」



光莉「ねぇねぇ、調べて見たら近くに景色の良い崖がある見みたいなの、一緒に行こうよ!」






南一郎「そこで、三滝が殺しにくるのかな?」





光莉「.........え? な、なんの事?」



南一郎「私を誰だと思ってるんだい? 君が遺産を狙って結婚した事も、私を殺そうとしている事も全て分かっているよ」



光莉「......分かってるなら、なんで結婚なんてしたの?」



南一郎「それは、勿論小説の為だよ。君は気付いていない様だが、君以外にも私と事実婚をしている女が4人いる。そして今日その4人もこのホテルに来ている。物分かりの良い君なら分かるよね?」


光莉「チェッ.....遺産が欲しいなら1人になるまで殺しあえって事ね。しかも自分が犯人だとバレたら警察に捕まり相続権を失う」



南一郎「フフッ...ノンフィクション小説、第2幕のスタートだ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

元殺人鬼の彼と現役殺人鬼の彼女 くにちゃん @zyatai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画