第15話 もう1つの犯人

4人を殺した犯人は圭だった。そして圭が復讐したかった南一郎殺しの犯人も三滝は分かっていた。


三滝「根岸が殺された時の事だが、圭は窓の外に人影が見えて外に犯人がいると勘違いしたんだよな」


圭「あぁ...だがそれは目田の毛布で、犯人は上に移動していた」


三滝「それが2つとも違ったんだ。圭と目田の壁には穴があるから、目田のベットシーツを運ぶ人間がいたら絶対に気が付くだろ?」


圭「絶対に分かる。夜中で静かだったし、暴念さんがいて中々寝付けなかったからな」


暴念「それは俺も保証する。でも16時くらいに光莉と長宮と部屋を探索した時にはまだ目田の部屋にシーツと毛布はあった」


三滝「と言う事はだ、あの外に置いてあったシーツと毛布は目田の物じゃない」


圭「え? だってその後皆の部屋確認したけど、どの部屋にもシーツはありましたよ」


三滝「つまりこうだ。犯人はまず自分のシーツと毛布を根岸の部屋の窓の下に置き、その後建物の裏から屋根に登り根岸の部屋の窓の上にロープをつける。これで準備は完了だ。その後根岸の部屋に行き包丁で殺害、急いで窓の外のロープに掴まる。そして圭が死体を発見し外に向かって走って行った後、犯人は屋根の上に行かずまた根岸の部屋に戻ったんだ」



圭「何故戻る必要が?」


三滝「根岸の部屋に用があったのでは無く、目田の部屋に用があったからだ」


圭「目田の部屋に用...分かった! 目田のシーツと毛布を犯人の部屋に持っていく為か。根岸の部屋は目田の部屋の隣だから、窓からまた戻ってくるのが最短距離なんだ」


三滝「だから犯人の部屋のベッドは今、目田のシーツと毛布が掛かっているはず。そして根岸の死体発見後、皆が外に集まっているのに自室に戻りベッドにシーツをつける事ができたのは、あの時1人だけ途中合流した、美緒だけだ」



圭「美緒が!?」



美緒「..........」



~~~~~~~~~~~~~~~~~



コンコン...



根岸の部屋がノックされ扉を開く



根岸「美緒か、どうした?」



ザク......



美緒「フフッ」



根岸は心臓を包丁で刺される



根岸「おわぁぁぁーー!!!!!」



美緒は急いで窓を開け上に吊るしてあるロープに掴まる。その後部屋に圭が入ってくる




圭「暴念さん! 下だ!」



暴念「おう!」



美緒は圭達が下に降りたのを確認した後、もう一度根岸の部屋に戻り、部屋を出て目田の部屋に入る



美緒(なんか臭いなこのシーツ、まぁあの豚が寝てた布団だからしょうがないか)


その後目田のシーツと布団を持ち自分の部屋に戻り自分のベッドにシーツをつけたら、部屋を出て葵の部屋の前に向かう



ドンドンドン!!



美緒「葵! 出てきて! 大丈夫!?」



その後美緒は皆と合流し、自分の部屋のシーツと毛布を見せた...


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



圭「そう言えば美緒、自分のベッドを使われる事を嫌がってたな。あれは目田が使ってた布団だから汚くて入ってほしく無かったのか」



美緒「........そうよ、あんな布団彼氏に入ってほしく無いじゃない」



圭「美緒が...美緒だったのか...」



美緒「動機は言わなくても分かるわよね?」



圭「分かるよ...ただ楽しんでたんだよな。美緒、俺は一郎おじさんが殺されて初めて被害者遺族の気持ちが分かった。いくら美緒でも...許せない!」


圭は怒りと悲しみの感情が入り乱れ目が真っ赤に充血していた。


美緒「私もその気持ちが葵のおかけで初めて分かった。だからこそ許せない...」



圭は足に巻き付けていたサバイバルナイフを取り出す。




そして美緒に......










抱きついた。








美緒も圭に思いっきり抱きついた。







圭「美緒、今までありがとう」


美緒「圭、さようなら」








2人「大好き...」






そうして2人は抱きついたままナイフと拳銃でトドメを刺した。


圭は美緒の背中を刺し、美緒は圭のこめかみに銃を放った。





2人はお互いの腕の中で死んだ...

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