第14話 真犯人

三滝「...Xは、最初から存在しなかった」



暴念「存在しないって、だって林でXを見たんだろ?」



三滝「そう言ったのは圭で、他の誰もXは見ていない。でも何故Xの存在をでっちあげなければいけなかったのか、それは源田を殺した犯人が自分だとバレてしまうから」



長宮「Xがいないとなれば源田と一緒に林を捜索した圭は簡単に源田を殺せるな?」



三滝「そう、はぐれた源田を探すフリをしてわざと美緒からもはぐれ、報酬の入ったケースの近くに先回りし、源田が来た所を近くの岩で頭を殴ったんだ」



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2日目朝 愛花梨の死体発見後


男性陣は愛花梨の死体を外に運ぶ為10時に食堂集合になった。話が一段落して皆朝食を持ち各々部屋に戻る。源田とある人物を除いて......




源田「俺に何か用か?」




その人物...圭は、源田に手紙を渡し何事も無かったかの用に出ていった





外の捜索の時間、圭は源田が姿をくらます事を分かっていた。


圭「おーい! 源田さーん!」


美緒「どこー! 殺されちゃうよー!」



圭は美緒からもわざとはぐれる



圭(アタッシュケースの場所に先回りだ)



圭が潜んでいる事を知らず源田は報酬の入ったアタッシュケースを開ける



源田「フフッ、なるほど。手紙の内容は本当だったか。報酬はいただいた、仕事はきっちりさしてもらうぜ、圭さんよ」



ドス...ドス...ドス...



圭は源田が息絶えるまでひたすら殴り続けた。

そして一度源田の死体から離れる



その時圭は背中に誰かの気配を感じた...



圭「まだ生きてたのか...」



顔から血を流した源田が圭の方を向いている、それが気持ち悪くて改めてもう一回源田の頭に岩をぶつけた

 


その後圭は源田の死体をたった今見つけたふりをして林を走ってぬける



圭「林の中で音がしてその方向に人影を見ました。恐らく1人です」



圭(フフッ、これで皆Xを疑うだろう)


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圭「Xは確かにいました! 美緒! 暴念さん! 信じてくれ!!」


三滝「いいや、君は一度ミスを犯してる。根岸が死んだ時の事だ」


圭「根岸さん? それは南一郎を殺した犯人が殺したんですよね?」


三滝「そう。でも根岸が死んだ時点では皆はまだ犯人はXだと思っていたんだ」


圭「それが何か? 僕だってあの時はここで起きた事件と同一犯だと思ってましたよ」



三滝「暴念さん、思い出して下さい。俺と圭と3人で屋根の上に登った時の会話を」



暴念「あぁ...あの時確か...」



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屋根の上のロープの仕掛けを見た時の会話



圭「俺が窓から下を見た時、犯人は真上にいたのか! そしてその後脚立を降りて従業員用の裏口から旅館に戻り皆と何食わぬ顔で合流した」



三滝「...え?」



暴念「バカ! 合流なんてするかよ! XだよX!!」



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三滝「圭はXがいない事...そして客の誰かが犯人だと知ってしまっているからこそ出てしまった言葉なんだ」


圭「あれは間違えて!」


暴念「圭......」


圭「ちょっと! 美緒! 何とか言い返してやってくれよ!」


圭は涙を流しながら美緒の両肩に手を掛ける


美緒「...三滝、最後まで続けて」


圭「美緒......」



三滝「続けるぞ。葵の部屋に拳銃を置いた方法だがこれも簡単だ。暴念さん、あなたは圭の部屋にある飲み物を飲みましたか?」


暴念「あぁ...」


三滝「その飲み物って、フタを開けた時カチッてなりましたか?」


暴念「いいや、圭の飲みかけって言ってたからな」


三滝「ならその水に睡眠薬が入っていたんでしょう。隠し金庫に入っていた睡眠薬は既に使われていたんだ」


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葵が自殺する前、圭の部屋で圭と暴念休んでいた



暴念「ふー...めっちゃ水飲んでたらトイレしたくなった。部屋のトイレでもいいけど見回りの為共同トイレ行くか?」




圭「嫌ですよ! しかもそれ僕の飲みかけですし! もう無為に部屋でるのやめましょう」




暴念「そうだな、昨日全く寝れてないしトイレ出たら2人で寝よう」




圭「はい、疲れたしぐっすり眠れそうです」




圭はふと外を見ると、三滝さんと長宮さんが外に出ていた


圭(暴念はもう寝たか...三滝も長宮も外に行ったし、行くなら今だな)


圭は机の引き出しから拳銃と葵を脅迫する為の手紙を取り出し、葵の部屋に向かいマスターキーで鍵を開ける


圭(これで葵は死ぬだろう。さ、後は部屋に戻って俺も睡眠薬を飲むか)


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三滝「今からXを皆で探しても良い...でももし現れなかったら圭が犯人だ」



美緒「...圭......どうなの?」












圭「..........フフッ、良く分かったな」




美緒「何で!? 何で圭が!」




圭「言っただろ...施設育ちってだけでいじめられてたって...その施設を支援してくれて、いつも遊びに来てくれてたのが南一郎さんだ。施設の中でも浮いてた俺に誰よりも優しくしてくれて、小説の書き方も教えてくれた」



美緒「だからって...圭は、恩人が死んだからって葵みたいな優しい人を殺せる人間じゃ無かったわよ」



圭「何でそう思ってんだ? 俺が美緒の殺人を手伝ってたのも、いつか小説家になった時参考にする為だ。美緒のアリバイ作りの方法とかは度肝を抜くからな」



美緒「そんな...好きだったのに...」


美緒は涙を流しながら圭に拳銃を向ける。犯人を殺すと葵に誓ったからだ。


圭「俺も好きだった...いつか小説家として目が出たら、美緒に最初に読んで貰うのが夢だったんだ...」


美緒はゆっくり圭の頭に拳銃を当てる



圭「美緒...幸せになってくれ...」



美緒が引き金を引こうとしたその時...



三滝「ちょっと待った! 圭、死ぬ前に南一郎を殺した犯人を知りたく無いか?」



圭「それは...知りたい...」



三滝「教えてやる...圭が復讐したい犯人を」

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