第13話 壮大なトリック
三滝は全員を目田の部屋に呼び寄せた。
圭「犯人が分かったって本当ですか!」
三滝「あぁ、全て分かった。ここで4人を殺した犯人は...お前だな」
そう言い三滝が指差した先にいたのは...
美緒「そんな......嘘でしょ...」
圭だった。
圭「ちょっと、何の冗談ですか? やめて下さいよ」
三滝「愛花梨が死んだ時は皆寝ていたから全員にアリバイが無い、しかし目田と暴念を殺し葵の部屋に拳銃を置けるのは圭しかいないんだ」
圭「いやいや、俺は誰も殺してなんかいない! 確かに目田や源田さんは殺されて当然の人間かも知れない...でも愛花梨や...そして葵は!! 殺していい人間な訳が無い!」
暴念「俺も圭が殺したとは思えない、そう思わせる事が南一郎の企みって事は無いのか?」
長宮「小説の主人公に容疑がかかる展開、南一郎が作りそうだぜ」
美緒「そして真犯人は主人公に罪を着せようとした探偵ってオチね」
三滝「何とでも言え、圭が犯人である理由を言えば納得するはずだ。まず目田の事件だが死体を見た時に皆違和感を感じたはずだ」
光莉「何故毒針で目を刺されたか...ね」
三滝「目以外に傷が無い事から、犯人は一発で目を刺した事になる。手足を縛られてるからと多少は抵抗できるのに、そんな都合よく目を狙えると思うか?」
暴念「できない...ならどうやって」
三滝「簡単だよ。自分から刺されに行ったんだ」
圭「はぁ!? そんな訳無いでしょ! 誰が自分から針に目を当てに行くんですか!」
三滝「これだ」
そういい三滝は壁を叩く
三滝「この壁には針1つ分の穴が空いている。圭は穴から目田に声をかけ穴を覗く様に誘導したんだ」
長宮「なるほど、だからわざわざ目を刺したのか」
三滝「光莉の部屋で俺と光莉が大声で喋っていたのに隣の部屋にいた美緒と圭は全然気が付かなかっただろ、なのに俺が目田の部屋にいる時隣の圭の部屋からかすかに美緒達の雑談が聞こえて、探してみたらあったんだ。壁に小さな丸い穴が」
暴念「確か目田は隣の部屋から圭と美緒の会話が聞こえて美緒がサイコパスだと言う事に気付いたんだよな」
三滝「しっかり会話の内容が聞き取れてると言う事は、穴に耳を当てて聞いていたんだろう」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
目田が拘束されている時、隣の部屋からかすかに声が聞こえる。
圭「...ん......ぁ~ん.....目田さ~ん!」
目田(圭が俺を呼んでいる?)
目田は猿ぐつわをしているので返事ができない。
寝っ転がった状態の体を何とか立て直し両足ジャンプで壁の近くまで行った
圭「目田さん! 僕が助けますから、これを見て下さい」
目田(助けてくれるのか?)
そういい穴を覗いた瞬間、毒針で目を刺された
目田「ングゥー!! ンンー!!!」
目田は部屋で騒いだが少しして静かになった...
圭「フフッ...死んだかな?」
そうして圭は何食わぬ顔で自分の部屋を出て見張りを交代した
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三滝「どうだ、この殺し方は圭にしかできないだろ?」
暴念「いや、やっぱり犯人は圭じゃない」
三滝「何故そう思う?」
暴念「そもそも4人はXが殺したんだ、圭が直接目田を殺す必要なんて無い!」
三滝「そう、そこが南一郎の仕掛けた最大のトリック...フフッ、あっぱれだよ」
圭「何が...言いたいんだ?」
三滝「...Xは、最初から存在しなかった」
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