第16話 2人が転移させられてから……


「アイツらどこ行った?」


 ダンジョン内のトラップだから外に出る事は無いと思うが……


「ん〜まぁいっか」


 アイツらならなんとかなるやろ!でも一応探しながらボスも倒すか。


「探し方が……よし!技を修得しよう」


 ダンジョン内でよく使う探索系は、魔法を薄く地面に張り巡らせその他の魔力を感知するものだ。その魔力を血と混ぜ魔力感知の応用で探していく。


「意外とムズいな」


 精密な魔力コントローとそれを補う精神面。良かったぁ〜魔力コントローを重点的に練習してて。

 でも、機能面がこれだけだとやはり物足りない……バフをつけるか?


「確か俺の能力で眷属なんたらがあったはず」


 あった、眷属支配。文字では支配と書いているが眷属の能力が底上げされるのだろう。


「でもそれじゃあ魔力の消費量が……」


 同時に3つの魔法を展開しているので、それ相応の魔力が削られる。どれかを削るか、範囲を狭めるかのどちらかになる。まぁもちろん選ぶは削る一択。

 実際魔力感知は要らない。だってこのダンジョンの敵弱いから。なので最大活躍するのが血液操作のバッファリングなわけだ。


「よし!こんな感じか?」


 血を地面に滴らせると枝分かれをし、地面に円形の薄い血溜まりが出来る。


「おぉ!かっけぇ!」


 2人が居ないからこんな口調で話す事が出来る。今考えれば、よく女の子の口調で生活出来てたな……この世界に来てから1ヶ月位か?そんなに経ったのか、時間の流れは早いな。でもゆーて1ヶ月、されど1ヶ月……


「ここ1ヶ月濃い生活だったな」


 アイリスとの出会い、新たな目標、セレネとの戦いと出会い。昔の事も断片的だが知れた。始皇帝や魔王、勇者の事も……昔の人や生活の事は知らないが、この身体になったのも恐らく意味がある。


「前々から気づいていたけど、始皇帝が吸血姫ならなんで俺も?」


 俺の種族名は吸血姫ブラッド・オブ・ザ・インペリアルレッド、吸血鬼の祖なのに始皇帝も同じ種族なら矛盾が生じる。この世界に吸血姫の祖が2人居ることになる。


「まぁいつかわかると思うし、そんな深く考えることじゃないな」


 今はアイリス達を探さないと、食料もないしダンジョンなのだから何が起こるか分からない。救助に専念しないとなを


「どっちみち、この技血の消費量がバグってるだろ」


 血液操作と眷属支配、両者血を使用し使う技なので血の消費量が通常の2倍近くある。でも常時使う訳でも無いので、ボス戦までは物理戦になりそうだ。


「ダンジョンなんていつも1人だったから、まぁ原点に戻ったか……悲しくなってきた……」


 生きていた時はダンジョンなんてどれも通学路見たいな感じだったし、しかも初心者用のダンジョンだぜ?いーじーだろ。

 あ、そういえばこの世界に来てから音楽なんて聞いていないな。こう見えて、聴いていた音楽は陽キャなんだぜ?まぁオールジャンルなんだけどね、基本クラシックからボカロ、HIPHOPからなんやらまで……


「音楽作るか、まぁリズム取るだけだけど」


 リズムをとる理由は攻撃のタイミングを合わせやすくする為だ。


「口ずさむのは流石に恥ずかしいな……」


 心の中で好きな音楽を歌う。女の子っぽくて良いな……やべぇ興奮してきた(?)


「やっと出てきたか」


 すぐ前の岩陰から魔物が出てきた。見た目はよくあるゴブリンの姿で、色は濃い緑で如何にもアニメキャラだ。


「どう倒すか、まぁ物理しかないけど」


 魔物とのタイミングを合わせる。相手かジャンプをしてきた。


「タイミングは相手が頂点に達する前……」


 疾走を使い前進する。手には大鎌で既に振り上げている。

 タイミングは相手のジャンプに合わせ前進し、ジャンプの頂点の少し前で首を切る。すると、斬撃が赤黒い光が刃と首の間に光る。クリティカルの証拠だ。クリティカル光は武器の属性で決まってくる。俺の武器は闇属性なので黒系の光が出る。


「よしっ順調だな」


 残りは3体、後はダルいから一気にやろうかな。にしても魔物が居ないな……普通はそこそこ人の多い田舎ぐらい会うあずなんだけど……


「まぁ居ない方が楽だし、いっか」


 魔物が居ないとなると、少し怖くなって来たな。本来ボスが替わると今みたいになるのだ。


「ボス部屋に行ってみないと分からないな」


 少し歩くと下に続く道があった。後ろを見ると、とうに入口は見えなくなっていた。


「行くしかないか……」


 覚悟を決め下に降りる。すると周りはキラキラと光る綺麗な宝石だらけだった。様々な色の宝石がありどれも大きく、長年放置されていたのがよく分かる。

 このダンジョンはここ最近は使われていなく、どれも古い階段や梯子が主だ。なので深く潜るだけでも、高級な物が手に入るかもしれない。


「おぉ〜!色とりどりでめっちゃキレイ!」


 この世界は来た時から幻想的なのは分かっていたがここまでとは!これは誰もが一度は目に入れたい光景だろう。

 周りを回るように見ると、左に脇道がある事に気づいた。でも脇道と言っては広すぎる様な?


「えぇい!行くっきゃねぇ!」


 少し小走りながらも道を歩くと、大きめの道に出た。


「やっぱここら辺は宝石が多いのか……」


 この道にも大きい宝石があり、少し持って帰っても問題が無いぐらいだ。


「てか魔物が全然いねぇんだけど」


 ここは宝石がある=光属性の魔力が流れてる、漂っているのだ。そして光属性の魔物が現れるはずだ。光属性は魔物を生成し易いので、こういった場所では死亡率が格段と上がる。だがダンジョンに潜ってから魔物は数体しか見ていない。


「早めにボス部屋に言った方が良さそうだな」


 ダンジョンでは時々、ボスの乱入があり入れ替わる度にダンジョン内の魔物が殺戮される。


「まぁ居ない方が楽だからいいけど」


 少し歩くと大きな岩で道が塞がっていた。


「これは……」


 微かに意図的な光属性の魔力が漏れている。これは典型的な隠し扉の魔法だ。隠す系の魔法は光属性に多い。誰かが何かを隠すために扉を作ったか……


「めんどくさくなってきたな、てかどうしようこの扉」


 俺は解除系の魔法は習得していないので、物理で壊すしかないな。物理攻撃カットとか言われたら終わり


「えい!」


 血液操作で大鎌を作り思っいっきり岩に斬りつける。案外スッと入り綺麗に真っ二つになった。


「あちゃーこれはホントに一大事だな……どうしたものか……」


 隠されていた道の先は多くの魔物の死体が山になっていた。これは相当やばい事態なのだ。このダンジョンはあまり人が来ていないので、魔物を人が居ないという事はこれはボスの仕業になる。しかも殺した魔物を1箇所に集め隠す。


「相当知能のある魔物だな」


 何故こんなに古臭い場所にボスが入れ替わるのか、どうやって入ったかなんて今はいい。今はアイリス達を優先しないといけない。


「知能のある=そこそこ強いからなぁ。ちょっと手こずるか、でもなんとかなるやろ!」


 そして探索をする事1時間ぐらい……


「長かったぁ!おい、どこに隠せてんねん!分かるわけないやろがーい」


 聞いて!?このダンジョン、隠しボタン押さないと扉出ない仕様なんだぜ!?ほんま大概にsayよ!


「よっしゃーいっちょやったりますかー」


 俺が扉を強く押すと壮大な音を立てて開く。目の前にあった光景は……


「「へ?」」


「あれ?何してんの2人とも?」







 質問


 学生の作家さんはどうやって書いてんだよ。みんな投稿率バグってない?俺とか1ヶ月かかったんだけど……

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どうも、音ゲーマーです。え?異世界転生ですか?簡単ですよ?〜音ゲーマーの俺がクリティカル1本で無双出来たらもうしてます!〜 つばさをさずけるぅ @yurizuki3

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